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岩手県大船渡市の山林火災で延焼防止に尽力 上越地域消防局の派遣隊員が活動報告

上越タウンジャーナル

岩手県大船渡市で2025年2月26日に発生した山林火災で、緊急消防援助隊新潟県大隊として派遣されていた上越地域消防局の隊員が3月14日、中川幹太上越市長に現地での活動を報告した。平成以降の林野火災では国内最大規模となる現場で、昼夜を問わず延焼防止や警戒に務めた経験を振り返った。

《画像:中川市長(左)に活動報告する西脇さん(中央)と田中さん》

火災は2月26日午後1時頃、大船渡市赤崎町で発生。1週間以上延焼を続けて約2900haを焼き、3月9日に鎮圧が宣言された。同市によると12日現在、死者1人、住家102棟を含む建物210棟の被害が確認されている。

県大隊は2月27日から3月10日までの間、4回にわたり186隊693人を順次派遣。同局から林野火災への派遣は初めてで、24隊72人が出動し、三陸町綾里地区などで建物への延焼を防ぐための警戒や消火活動、残火処理、燃料補給といった後方支援に当たった。また高度化学消防隊の「ドラゴンハイパー・コマンドユニット」も初出動した。

《画像:消火活動の様子(上越地域消防局提供)》

《画像:初出動したドラゴンハイパー・コマンドユニットの車両。大量放水、長距離送水に力を発揮した(同)》

第1次派遣部隊長を務めた上越南消防署高士分遣所所長の西脇俊祐さん(47)は、火災発生翌日の2月27日午前2時過ぎに現地に入った。現場の山は赤く染まり、宿営地周辺でも煙が漂い、灰が降り注いでいる状況に「経験したことのない風景で、被害の大きさを実感した」という。消火栓が使えなかったり、火が見えなくても土の中で燃えていたりと消火活動は難航したが「とにかく被害拡大を防止しようという思いだった」と振り返った。

《画像:夜間警戒中に燃える草木(同)》

同局予防課副課長の田中優さん(47)が部隊長を務めた第2次派遣部隊は、3月2日から活動を引き継いだ。期間中は一気に火の手が広がったことで、急きょ出動要請や退避命令が出され、ほぼ24時間活動した日もあったという。「風向きが一定でなく、延焼拡大の方向が読めなかった。食事や休憩も隙間時間で車の中でとるしかない状況だった」と厳しさを語った。

《画像:燃えた林野の状況(同)》

中川市長は「けが、事故なく戻ってくれて良かった」とねぎらい、「雪解けの後はたき火が増え、山林火災の可能性もあるので、管内での予防や対応に経験を生かしてほしい」と話した。

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