46歳マニー・パッキャオが健在証明、4年ぶり復帰即世界戦で惜しくもドロー
WBCウェルター級王者バリオスとフルラウンド戦い切る
プロボクシングのWBCウェルター級タイトルマッチが19日(日本時間20日)、アメリカ・ラスベガスのMGMグランドで行われ、約4年ぶりにリング復帰した元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(46=フィリピン)が同級王者マリオ・バリオス(30=アメリカ)と引き分け、王座獲得はならなかった。
試合前はパッキャオの現在の実力に懐疑的な見方が多く、そもそも2021年8月の敗戦を最後に引退し、4年間も試合をしていないボクサーが突然世界ランキングに入ることへの批判も少なくなかった。
しかし、蓋を開けるとパッキャオが大善戦。往年のスピードこそないものの、トリッキーな動きを見せながら動き回り、バリオスに的を絞らせない。
最後まで手を出し続けてフルラウンドを戦い切り、豊富なスタミナを証明。加齢による衰えとブランクに抗い、地道にトレーニングを積んできたことをうかがわせた。
判定はジャッジ1人が115-113でバリオスを支持し、残り2人は114-114の1-0ドロー。2014年に49歳3カ月でライトヘビー級王座を獲ったバーナード・ホプキンス(アメリカ)に次ぐ史上2番目の高齢王座奪取は逃したが、会場から「マニー」コールが起こるなど、この日の主役は間違いなくパッキャオだった。
6階級制覇のレジェンド、現役続行に意欲
パッキャオは1998年に奪ったフライ級王座を皮切りに、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級、ライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級と主要4団体で6階級制覇。マイナー団体等も含めると8階級制覇とも言われるフィリピンのレジェンドだ。
2021年に引退後はフィリピンの大統領選挙に出馬したが落選。2024年7月には、さいたまスーパーアリーナで開催された超RIZIN.3で、キックボクサーの安保瑠輝也とボクシングルールで3ラウンドのエキシビションマッチで対戦したものの、攻め込まれる場面も少なくなかった。
エキシビションの精彩を欠く内容が今回の復帰戦への批判の要因のひとつだったが、ひとたびボクシングのリングに上がれば本能が甦るのか。試合後は現役続行に意欲を示している。
パッキャオは62勝(39KO)8敗3分け。辛くも防衛したバリオスは29勝(18KO)2敗2分け。まだ戦えることを証明したアジアのレジェンドから目が離せなくなってきた。
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記事:SPAIA編集部