鳴き声で残暑涼やかに 「鈴虫祭り」にぎわい
中原区の夏の恒例イベント「かわさき鈴虫祭り」が8月25日、宮内の常楽寺で行われ、子どもから高齢者まで数多くの人が訪れ、にぎわいをみせた。
同イベントは、かつて「公害のまち」と言われた川崎市で、いたわり思いやる気持ちと命を育むことを目的に、スズムシを飼育、無料配布しており、今年で43回目。
当日は、スズムシの鳴き声が響く境内で、午前10時の開始前から多くの人たちが列をつくった。同寺住職による法要の後、スズムシが配布された。
先頭に並んでいた横浜市青葉区から訪れた和田えりさん(58)は「初めて参加したけど、立派なお寺で、これだけ多くの人が訪れ、愛されているイベントだというの知って、驚いたし感動した」と話した。
主催した新城鈴虫同好会では、今年8千匹飼育した中で、1千匹119籠を川崎市に寄贈。福田紀彦市長に目録を手渡した。福田市長は「市内の高齢者施設やこども文化センターに配らせてもらった。命の尊さや大切さを伝えていきたい」と感謝の意を述べた。同会の井田光政会長は「継続するためにも飼育の面で次世代で携わってくれる人がいれば。開催当初からの思いをつなぎ、できる限り今後も続けていきたい」と話した。