ともしびプロジェクトの新たな歩み。「灯す」こと「ひとりひとりの物語」として伝えることで未来に記憶をつなぐ【宮城県気仙沼市】
2025年3月11日、東日本大震災から14年が経ちました。
毎月11日、気仙沼をはじめ全国で青いキャンドルが灯されています。ともしびプロジェクトは「震災を忘れない」という思いから始まり、これまで160回を超えて続けられてきました。
震災報道をきっかけに始まったローカリティ!は、ともしびプロジェクトの思いに共感し、これまで毎年その姿を伝えてきました。(2024年ローカリティ!編集長との対談記事 https://thelocality.net/tomoshibi_taidan/)
ともしびプロジェクトの代表、杉浦恵一さんはこれまで「灯す」ことに重きを置いてきましたが、その記憶を「ひとりひとりの物語」として残す取り組みも進めていこうと考えています。
「灯す」ことが持つ意味
ともしびプロジェクトは、「1000年後の3月11日に、人々が青いキャンドルを灯し、震災やその時代を生き抜いた人々に思いをはせる。そんな文化として続いていたら」そんな思いをもってキャンドルを灯し続けています。
杉浦さんは、キャンドルを「灯す」ことが単なる追悼ではなく、震災の記憶をつなぎ、その困難を乗り越えた人々の価値を伝えるものだと考えています。そして、それに触れることで自分の生きる力につながるような、そんな機会になればと願っています。
震災を直接経験していない世代が増え、その事実を知る人が少なくなっても、青いキャンドルの灯りがその記憶を語り続ける。杉浦さんの願いは、過去を忘れず、未来へとつなぐ光を灯すことにあります。
「灯す」だけでは伝えきれない「ひとりひとりの物語」を残し伝えたい
しかし、いつしか震災のことについて、未来の世代に伝わらなくなる日が訪れるかもしれません。
「だからこそ、彼らの言葉を記録し、残していけないだろうか」
「灯す」ことで伝わるものがあるように、「ひとりひとりの物語」として残すことで未来に伝えられるものもあります。
これまで「灯す」ことに重きを置いてきましたが、「伝える人がいなくなったとき、何が残るのか?」杉浦さんはこの問いに向き合いながら活動をしてきました。
「灯す」だけでなく、伝え続けるために「ひとりひとりの物語」として残す。二つを組み合わせ、震災を経験した人々の言葉を記録し、未来へつなぐ取り組みをはじめようと考えました。
「ひとりひとりの物語」として残す
東日本大震災から14年がたちました。あの日を経験した人たちの中には、伝えようとしてもうまく言葉にできなかった人がたくさんいたかもしれません。
また、時間が経って、少しずつ「話すことができるかも」と思い始めた人もいるかもしれません。
ローカリティ!では、ともしびプロジェクトと“ともに伝える”立場として、この取り組みを進めていきます。
もし、震災の記憶や、その後の変化について「話してみようかな」と思ったら、その言葉を、未来へつなぐひとつのともしびとして、大切に聞かせていただきたいと思っています。
どんな言葉も、どんな思いも、無理に語る必要はありません。
でも、「誰かに伝えてみたい」と思ったときに、その声を受けとめる場所があります。
「大きな被害はなかったけれど、震災をきっかけに考え方が変わった」
「これまで話すことはなかったけれど、今なら話せるかもしれない」
「自分の経験が誰かの力になるとは思っていなかったけれど、聞いてもらえるなら…」
まずは気仙沼を中心に、宮城・岩手・福島など、震災の記憶を持つ人々の声を、その言葉を、未来へ届けるためにインタビューを通じて物語として残し伝えていきます。
「灯す」ことと「ひとりひとりの物語」として残すこと、その両方を通じて、未来へ記憶をつなぎ、それに触れた人が、自分の生きる力につながるような、そんな取り組みを続けていきます。
問い合わせ
ともしびプロジェクト事務局
住所:気仙沼市南町2-2-25
電話:080-3651-6969
email: info@tomoshibi311.com