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こだわりのいっぴんvol.4|光を包み込んで輝く、パート・ド・ヴェールのガラス細工

meets糸島

糸島で活動する個性豊かな作家たちを紹介する、連載企画「こだわりのいっぴん」。
作品のなかでも、特にこだわりが詰まった「逸品」を教えてもらいます。

第4回目となる今回は、ガラス作家の島崎 弥佳子(しまざき みかこ)さんです。

島崎さんが使うのは、ガラス工芸のなかでも幻の技法とも呼ばれる「パート・ド・ヴェール」。
パート・ド・ヴェールの持つ魅力や、糸島での作品作りの日々についてお話を伺いました。

vol.4 ひとつぶの空 島崎 弥佳子さん

今回紹介した作家

島崎 弥佳子(しまざき みかこ)さん

<!-- 条件分岐 -->

1971年、愛知県生まれ。
愛知県立芸術大学を卒業後、富山ガラス造形研究所で2年間、ガラス工芸の技術を磨く。
2000年頃に糸島に移り住み、アトリエを構え作品作りに取り組む。
国内外で個展を開く傍らガラス工芸の教室を開き、パート・ド・ヴェール技法を教えている。

1971年、愛知県生まれ。
愛知県立芸術大学を卒業後、富山ガラス造形研究所で2年間、ガラス工芸の技術を磨く。
2000年頃に糸島に移り住み、アトリエを構え作品作りに取り組む。
国内外で個展を開く傍らガラス工芸の教室を開き、パート・ド・ヴェール技法を教えている。

教室があると聞いて伺ったのは福岡市西区田尻。周囲を田んぼに囲まれた、とある建設会社です。

「本当にここ…?」と思いながら敷地内に入ってみると、建物脇の外階段に島崎さんの教室「ひとつぶの空」の看板が立てかけてあるのを見つけました。

教室が入っているのは、この建設会社の建物の2階。階段を上がっていくと、島崎さんが笑顔で出迎えてくれました。

「教室では、現在30人ほどの生徒さんを教えています。福岡だけでなく、湯布院や中津、山口などいろいろな場所から来てくださっているんですよ」

島崎さんは愛知県出身。愛知県立芸術大学を卒業した後、全国初の公立のガラスアート専門学校「富山ガラス造形研究所」に入学しました。

富山ガラス造形研究所では、大学時代に取り組んでいた吹きガラスのほか、ステンドグラスやカットガラスなどあらゆる技法に取り組んだそうです。

「ガラス作品を作るのって、実は簡単じゃないんです。例えば吹きガラスだと、吹く人、吹くための道具を支える人、吹いたガラスを取り外す人とチームになって作業しなくてはなりません」

「ある程度の力も必要で、やっているうちに1人じゃ限界があるのを感じました。私は1人で黙々と作業する方が好きだったので、どうしようかなって」

思い描いた作品を作るため、さまざまな技法を試していくなかで出会ったのが、島崎さんが現在取り組んでいる技法「パート・ド・ヴェール」でした。

その作り方は、まず粘土やワックスで原型を作り、石膏で型取りして鋳型にします。

出来上がった鋳型にガラスの粉を詰め、電気炉で焼き鋳造。徐々に冷ました後、常温になったガラスを型から取り出し、磨いて完成です。

パート・ド・ヴェールの始まりは、ガラスの起源・メソポタミア時代と言われています。しかし工程が長いことから、量産できる吹きガラスの登場によって衰退してしまいます。

100年ほど前にフランスでアートとして復活。始まりは古いものの、世界に広まってからはまだ日の浅い技法だと島崎さんは話します。

日本国内でも、パート・ド・ヴェールを使う作家はまだまだ少ないのだそう。

「パート・ド・ヴェールで作ったガラスには、特有の気泡が含まれています。気泡の大きさや数によって光の通り方が異なり、ガラスが光を包み込んだような柔らかな輝き方をするのが魅力です」

小さなアクセサリーから器、大型のオブジェまで幅広く作品を手掛けている島崎さん。作品は、日々頭に浮かんだ言葉を形にしているのだといいます。

「常に考えているのは、見て下さる人がいてこその作品だということ。みなさんがそれぞれ、見た時になにか感じるものがあればうれしいですね」

そんな島崎さんの「こだわりのいっぴん」を教えてもらいました。

●「好きなまま枯れて行く」 110000円(税込)

今年の5月に完成したというこの作品は、女性の一生を花に例えたというもの。美しく重なり合った青い花びらが印象的です。

ガラスの背面にはLEDライトが取り付けられており、インテリアとして壁に掛けて楽しむことができます。

「人は徐々に年を取って体やいろんなものが枯れて行くけれど、家族や恋人といった大切な人への気持ちは枯れない、そんな思いを込めました」

ガラスの中には大小異なる気泡が閉じ込められていて、LEDを付けるとまるで内側から光を放っているかのように輝きます。

素朴な木材の額と透明感のあるガラスのコントラストもステキで、思わず目が引き付けられる作品です。

糸島に自宅とアトリエを構え20年以上、作品作りを続けてきた島崎さん。なぜ糸島だったのか?尋ねてみました。

「自然と海があり、1軒1軒の距離が離れているので、もの作りにあたっていろいろなことを気にしなくていいんですよね。適度にほっといてくれて、適度に気にかけてくれるところが気に入っています(笑)」

教室では、パート・ド・ヴェールを含め、電気炉を使ったガラス細工を学ぶことができます。島崎さんの作品や体験教室をきっかけに、ガラス細工に興味を持つ人が一人また一人と増えています。

「どのような形かは分かりませんが、いずれ作品作りを通して糸島の発展に貢献できたらと思っています」

INFORMATION

店名:

ひとつぶの空 キルンワークガラス教室

住所:

福岡県福岡市西区田尻3丁目630−1 松浦建設株式会社2階A室

営業時間:

10:30〜12:30または13:30〜15:30

Web:

https://www.hitotsubu-sora.com/

一人当たりの予算:

月謝6000円(月2回 各2時間 )

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

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