天才音楽家ベートーヴェンは“下品で小汚い”おじさんだった?彼の忠実なる秘書シンドラーとはどんな人物か!?『ベートーヴェン捏造』
19世紀ウィーンで巻き起こる音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った、歴史ノンフィクションの傑作「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」(かげはら史帆著/河出文庫刊)が、日本で実写映画化が決定。バカリズム脚本の映画『ベートーヴェン捏造』が、9月12日(金)より公開される。このたび、シンドラーのパーソナリティーが垣間見える場面写真が解禁となった。
忠実な秘書?前代未聞の大嘘つき?
偉大なる天才音楽家・ベートーヴェン。誰もが知るそのイメージは、秘書による“でっちあげ”だった。耳が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる数多くの名曲を遺した聖なる孤高の天才ベートーヴェン。しかし、実際の彼は——下品で小汚いおじさんだった…?世の中に伝わる崇高なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書・シンドラー。憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、見事<下品で小汚いおじさん(真実)>から<聖なる天才音楽家(嘘)>に仕立て上げる。シンドラーはどうやって真実を嘘で塗り替えたのか?果たしてその嘘はバレるのかバレないのか—?
主演は、今年本作の他に『木の上の軍隊』『爆弾』と主演作品が3本公開される山田裕貴。彼が本作で演じたのは、偉大なる音楽家であるベートーヴェンの秘書・シンドラーだ。
1795年に現在のチェコ共和国の小さな村で生まれたアントン・フェリックス・シンドラーは、教師だった父からヴァイオリンの手ほどきを受け育つ。18歳でウィーン大学 に入学するも、当時のドイツに吹き荒れていた“愛国運動”にのめり込み、逮捕される。釈放されたものの大学を中退し、故郷へ帰ることもできず、ヴァイオリニストとして細々と暮らしていた27歳のある日、劇場のパーティーで大ファンであったベートーヴェンと知り合う。ベートーヴェンの気まぐれで、出会いからほどなくして秘書となったシンドラーは、ほぼ無給で公私に渡り彼を支える。生真面目すぎる性格から次第にベートーヴェンに煙たがられるようになり、たった2年で二人の仲は決裂。それからさらに2年後、ベートーヴェンの甥・カールが自殺未遂事件を起こしたことをきっかけに交流を再開させ、ベートーヴェンを看取ったシンドラーは後に、現在まで残る様々な<ベートーヴェン伝説>を記した伝記を刊行する。現在広く浸透しているベートーヴェン像は、彼の伝記に拠るところが多い。
経歴だけまとめると、「天才音楽家を支え、後世にまでその偉大さを伝えた立派な人物」のように見えるシンドラー。しかし、彼のある行動が、音楽史上最大のスキャンダルへと発展してしまう。彼はどのようにベートーヴェンのイメージをでっちあげたのか—。
場面写真は、愛するベートーヴェンにしっかりと肩を抱かれ、決意の表情を見せるシンドラー。耳が聞こえないという逆境の中で指揮をとるベートーヴェンをすぐ側で見守るシンドラー。ヴァイオリニストとしての一面も持っていたシンドラーの演奏シーン。耳の聞こえないベートーヴェンと会話をする際に使用していた会話帳を広げ、何かを必死に訴えかけるシンドラー。冗談が通じず、周囲を呆れさせることも あったというほど生真面目なシンドラーの“ベートーヴェン愛”が伝わる4点だ。
『ベートーヴェン捏造』は9月12日(金)より全国公開