「東京湾のエビメバル釣りが解禁!」タックル・仕掛け・釣り方・釣果アップのコツを解説
東京湾で春を告げるエビメバル釣りが解禁。モエビをエサに狙うクロメバルは繊細なアタリと力強い引きが魅力。湾奥から湾口まで広く生息し、20cm級が主体ながら尺メバルも期待できる。最盛期はゴールデンウイーク以降。カサゴなどの美味しいゲストも交じる春の釣行に最適だ。
東京湾でエビメバル釣り解禁
東京湾では活きたモエビをエサにクロメバルを釣る、通称・エビメバルが春の到来を告げる風物詩。「春告魚」という漢字が当てられる由縁で、タケノコと合わせる煮魚は、東西の小料理屋で春の看板メニューとなる。
東京湾内の多くのエリアでは、2月1日が解禁日とされている。メバルがモエビエサに食いつく繊細なアタリと、掛かってから海面まで激しく抵抗する引きを楽しみにしているファンが多い。また、代表的なゲストのカサゴも美味しい土産となる。
メバルの生息場所
クロメバルは、九州から東北地方の海底が見えるような浅場から、水深40mくらいまでの海底近くに生息。「メバルはナギを釣れ」という格言は有名。
東京湾では、湾奥のベイエリアから湾口までの浅場に広く分布。湾口から外の水深40mを超えるような深場では、通称・アカメバルとかオキメバルと呼ばれるウスメバルやウケクチメバル、トゴットメバルが多くなる。
呼び名のとおり、クロメバルの体色は黒っぽい個体が多いが、生息場所によってカジメなどの海藻が多いポイントでは、茶色や金色に近い個体が釣れることがあり、後者はとても美味とされている。
大きさ
大きさは中型で20cm級。このサイズまでは三年ほどで育つそうだが、釣り師憧れの尺メバルと呼ばれる30cm級になるには、約十年を要していたと魚類学者に聞いたことがある。
私が今まで見た最大級は40cmだが、三十年以上前のことで、それ以降はおめにかかったことがない。
エサ
クロメバルの主食はエビ類や環虫類だが、大型になると小魚を捕食する。釣りエサとしてはモエビが使われることが多い。
釣りの難度
釣りの難度は天候、潮色、流れ具合に大きく左右されるが、一般的には中程度、潮が澄んでいる時は障害物の陰に潜む魚なので、根と呼ばれる岩礁や人工的構造物の隙間に仕掛けを入れるため、根掛かりを交わすテクニックの有無で釣果に差がつく。
船宿
メバル釣りの船宿は、千葉浦安・吉野屋~神奈川横浜、金沢八景の数軒に限られる。
エビメバルタックル
エビメバル専用竿と、小型両軸リールをセットしたものがベスト。
竿
竿に関しては、全長2.4m前後のウルトラライトアクションのルアーロッドやゲームロッドでも代用可。
オモリ
オモリは20~30号を使う船が多いので、イワシメバル用の竿ではオモリ負けして、根掛かりが多くなるので要注意。
仕掛け
仕掛けは、船宿で購入するのが無難だが、エビメバルと書かれた市販品を使うか、自作してもいい。ただし、市販品を使う場合は事前に船長に確認することを勧める。
自作する場合の注意点は、水色が澄んでいるとメバルの活性は低めで、大型は警戒心が強いことを考慮して、ミキイトはフロロカーボンライン1.5号、枝間75cm、ハリス0.8号35cm、ハリは青ヤマメ8号。
この際、下バリでアイナメやカサゴを意識する場合は、ハリス1.5号35cm、ハリは半ネムリメバル10号が、モエビエサを使う場合の適当なサイズだ。
最盛期はゴールデンウイーク以降
最盛期はゴールデンウイーク以降。水温が18度前後まで上がり、濁りが入ってくればメバルの活性が上がり、警戒心は薄れてきて、少々太めの仕掛けでも食ってくる。
こんな時は無理して細い仕掛けを使う必要はない。ミキイト2号、ハリス1.5号35cm、ハリはメバル10号程度。
この際も、大型のアイナメやカサゴ用として、下バリはハリス2号35cm、ハリは細地ムツ12号を用いる。
また、下バリに付けるエサはキビナゴやサバの短冊にすると、モエビよりエサ持ちがよく効率的だ。
東京湾の使用オモリは20号が基準。なお、オモリと仕掛けは、根掛かり対策として十分に用意。参考までに私は4組用意する。
エビメバルの釣り方
エサは船内で配られるモエビ。まめにエサを付け直していくことが基本の一つ。
エサの付け方
ハリの付け方は、尾羽根を切り取らないように指示する船長もあるが、私は切り取る派で、仕掛けが沈んでいく時に、エサが回転してハリスにヨリが出るのを防いでいる。
ただし、このとき尾羽根の付け根は必ず残すように。取ってしまうと、弱りやすいのと同時に切り口から入れたハリの軸がモエビの胴体を引き裂き、ハリから外れやすくなってしまう。
切り口からハリ先を入れたら、エビ胴体の尾側から2節目辺りの背側にハリ先を抜き、エサがハリ軸に対して真っすぐなるように姿勢を整える。ハリ先を腹側に抜いてもいいが、背側に抜いたほうがエサ持ちはいい。
食い渋り時の対応方法
食い渋り時の対応方法として、エサの動きをよくするため、先述した通り尾羽根を切り取らないで、ハリをチョン掛けにする方法もある。
エサの交換はこまめに
いずれも、モエビは死んで白っぽく変色したものはメバルの食いが悪いので、適時交換してアタリを増やすように心がけたい。
ベタ底がアタリは出やすい
水温が低く潮が澄み気味の時期は、オモリを海底に着けてハリスを弛ませるベタ底のほうがアタリは出やすい。
ただし、根掛かりの多い場所では必ずしもそうはいかない。市販品より長めの枝スで仕掛けを作り、エサが自然に漂うようにして、あまり動かさないようにオモリを海底から数cm持ち上げるようにしてアタリを待つのが対応策。
前アタリはアワせない
コツコツと小さい前アタリはアワせず、魚が掛かって強い引き込みがくるまで待つ。一気に引き込むようなアタリがでたり、小さなアタリが徐々に強い引き込みに変わっていったら竿を聞き上げるようにゆっくり持ち上げ、竿先を水平より上向きに保持してリールをゆっくりと巻き上げる。
取り込み
取り込みは竿を立てて弾力を生かし、そっと抜き上げるのが基本。ハリスの強度と相談して必要があればタモ取りしよう。
<週刊つりニュース関東版APC・木津光永/TSURINEWS編>