小島陣屋跡を訪ねる
2024年8月25日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」。今日は、清水区小島本町の小島陣屋跡を訪ねます。
語り:春風亭昇太
江戸時代中期の貴重な遺構として、平成18年に国の史跡に指定された小島陣屋跡。
ここには江戸時代、小島藩を治めていた瀧脇松平家が宝永元年、1704 年に構えた陣屋がありました。
小島陣屋は、石高1万石の城を持てない小大名が築いた陣屋でありながら、3段の曲輪や枡形虎口や4メートルを超える高石垣など、城郭風の構造を持っていたことがわかっています。
明治時代になって小島藩がなくなると、この場所には小学校ができ、陣屋の建物を改修・増築して利用していました。
藩主が暮らした御殿の一部である書院は、当時、小学校の校長室として使われ、昭和3年に小学校が移転すると、陣屋があった場所から数百メートル離れた別の場所に移築されて地元の公会堂として利用されるようになりました。
旧藩士が記憶を頼りに描いたとされる小島陣屋図。正確とはいえないものの、御殿主要部の間取りは遺されてきた書院とほぼ一致すると見られています。
この図を頼りに陣屋内の元々の位置に書院を移築する工事が令和4年7月から始まりました。
柱や梁などのほとんどに、元の部材を使い、公会堂だった時代に変更されていた間取りを元の間取りに戻して復原されることになっています。
工事の途中に見ることができるのが、天井が張られると隠れてしまう梁組の材木など貴重な建物の構造。
できるだけ元のかたちを生かしながら、新たに耐震の補強などを加えて、復原されていきます。
静岡市歴史めぐりまち噺し、今日のお噺しはこれにて。 <!-- tag:東海道/area:静岡市清水区 -->