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【参院選新潟選挙区】火花散らす女性3候補が集結したネット討論会<JCI北信越地区新潟ブロック協議会>

にいがた経済新聞

公益社団法人日本青年会議所北陸信越地区新潟ブロック協議会(以下、JCI北信越地区新潟ブロック協議会)は7月9日、「第27回参議院議員選挙 新潟選挙区ネット討論会」を開催した。討論会の模様は、株式会社にいがた経済新聞社のYouTubeチャンネル「にい経NEWS」にてライブ配信。多くの視聴者が視聴し、7月20日に投開票が行われる参院選への注目度の高さが表れた。

<<『第27回参議院議員選挙 新潟選挙区ネット討論会』アーカイブ配信>>

この日、討論会に出席したのは打越さくら候補(立件民主党・現職)、平井恵里子候補(参政党・新人)、中村真衣候補(自民党・新人)の女性3候補。原田公成候補(諸派・新人)は出馬表明時期の関係で出席がかなわなかった。また中村候補は、遊説先の湯沢からズームでのリモート参加となった。

討論会のコーディネーターを務めたのはJCI北信越地区新潟ブロック協議会から持続可能な地域開発委員会の髙橋孝輔委員長。

コーディネーターを務めたJCI北信越地区新潟ブロック協議会から持続可能な地域開発委員会の髙橋孝輔委員長

討論会は、全5テーマについてそれぞれフリップに自らのビジョンや政策を記載し、それについてスピーチする方式。回答が1巡した後で互いに質疑応答を行う、という進行。回答の順番はその都度入れ替わる。

各々自己紹介の後、第1問は「自身が得意とする政策分野、議員として何を成し遂げたいか」。

平井候補 「一般目線の経済政策」

「普通のお母さん」「会社員」の目線から物価高で苦しむ一般の人の気持ちを理解する力をアピール。「物の値段がわかります」というパワーワード。参政党はしがらみがないので、議員になったら忖度のない仕事ができることを自らのストロングポイントとした。

打越候補 「誰よりも話しやすい政治家、法律の専門家」

弁護士として女性の尊厳を守る仕事をしてきた経験。国会議員として法律を作る側にまわり、より多くの人の助けになれることに喜びを感じる。現職国会議員として6年間、様々な法制度の運用や改善にかかわってきた強みを強調した。

中村候補 「ふるさと新潟に対する思い・スポーツ、教育、子育て」

新潟生まれ、新潟育ちであることをアピール。親の収入格差で生まれる教育の格差を是正したい。子供たちが多くの体験を通して成長していく機会を作りたい。

第2問目は「人口減少などで喫緊の課題となる地域経済の縮小を止める具体的な政策を」

打越候補 「強くてやさしい新潟県経済をつくる」

地域経済の活性化は賃金アップから。「全国一律最低賃金1,500円」を実現したい。人口の定着には地域の安心、安全の確保も大切。そのためのインフラ整備も必要。新潟県で言えば、農家の個別保障拡張で米の増産を図る。

中村候補 「人口減少対策・経済の活性化」

教育、子育ての支援。Uターン・Iターンの強化。新たな消費、インバウンドの獲得に対する政策。新潟の食や文化のアピールに力を入れる(?)

平井候補 「消費税の段階的廃止・インボイス制度の廃止」

税金・社会保険料の国民負担率が収入の46%を占める状況では生活は楽にならない。これを35%まで引き下げたい。生活に不安があったら結婚する人も、子育てしようという人も増えない。

ここで打越候補から中村候補に質問「人口減少対策の具体的な政策は?」

これに対しては「UIターンの支援」(中村候補)という答えだった。

打越さくら候補(立憲民主党)

第3問目は「教育、子育てについて」

中村候補「すべての子供に質の高い教育の機会を保障」

打越候補「安心の子育て、誰もが均しく学べる環境整備」

平井候補「安心して子育てできる経済政策」

この問題では、平井候補が参政党の政策「15歳まで子供一人当たり10万円の給付金」をぶち上げる。その財源として「現在拠出している、子供家庭庁の年間予算7.3兆円を廃止する」と言及する。一方で立憲民主党が掲げる「児童手当を18歳まで毎月1.5万円」は現実的な線ではある。

平井恵里子候補(参政党)

第4問目は「原発を含むエネルギー政策、柏崎刈羽原発の再稼働について」

打越候補「再生可能エネルギーによる分散型エネルギー社会。県民合意のない再稼働は認められない」

平井候補「安全性と地元住民の理解」

中村候補「地元合意が得られた原発は安全の確保をしたうえで活用するべき」

このテーマについては、字面で見ると3人共通した意見に見えるが、中身には差がある。打越氏が現状の再稼働への進め方に否定的なのに対し、平井氏は国の「再エネ」に重心を置いた政策に否定的で将来的な廃炉を見据えた再稼働は容認、中村氏は「日本の電力需要、地球温暖化対策を考えれば再稼働やむなし」というスタンスだった。

ここで平井候補が中村候補に対し「現行の再生可能エネルギーが環境に負荷を与え、賦課金のせいで私たちの電気代にものしかかっている状況を、与党の候補としてどのように考えているか」という質問。これに対し中村候補は「地熱発電の技術開発にも積極的に取り組んでいかなければならない」という回答で、少々かみ合わないやり取りとなった。

一人だけリモート参加だった中村真衣候補(自民党)

5つめのテーマは「税制、社旗保険料について」

平井候補「減税と積極財政」

中村候補「選択と集中、全世代型社会保障」

打越候補「公平公正な負担で、財政民主主義を進める」

このテーマに関しては平井氏が一貫して主張する「減税する、手取りを増やす」という主張がわかりやすく届く。これに対し中村氏は「財源の裏付けがない減税はできない」と「減税」をはっきり否定したのが印象的。対して打越氏は「減税」に触れず「プライマリーバランス」「財政健全化」に言及したことが、有権者にどう受け取られるか。

ここで打越候補から中村候補に質問「全世代型所得補償とは具体的などのような内容か」という質問が飛ぶ。これに対して中村氏は「少子高齢化の中で社会保障費は年々増えており、現役世代からは『負担が重い』という声、高齢世代からは『支えが足りない』という声があるどの世代にも、課題・立場があるが、所得に応じた負担や行政の無駄の削減など改革の余地はある。教育や子育ての支援に力を入れて若い世代が安心できる社会を」という、またもかみ合わない回答に終始した印象。

ここまでで全5問のテーマが終了した。

閉会の挨拶をした長岡青年会議所の小林雄太副理事長

編集部総評

多くの有権者に、選挙に対して関心を持ってもらうという狙いは大変有意義な討論会であり、ネット配信の形なら最適だ。

その一方で今回は一般有権者の熱が高く、今回の討論を追い越している状況。討論自体は白熱せずに低調なものだったと言える。意見を戦わせる場面も見られなかったのは残念だ。

自民党の中村候補は、ズームでの参加が残念だった。政策や主張に具体性があまり見られないのは、ひとりだけリモート参加というライブ感のなさから来るものなのか。有権者に届きやすいのは「借り物の政策」ではなく「自身の声、叫び」なのだな、と感じた。

一方で立憲民主党の打越候補は、討論慣れしたこなれた印象で、整理された主張だと感じた。ただ有権者に届きやすいかどうかはまた別の話。終始やりにくそうな印象が見受けられたのは「あまり正論でやり込めると、印象が悪くなる」ことを懸念したのか。ただ一人現職国会議員でもあり、無責任なことが言えないという意識からか、言葉を選んだり飲み込んだりする場面も見受けられた。

参政党の平井候補は、終始一貫していた。有権者からの見え方は最もよかったのではないか(内容は別として、の話だ)。今回の選挙が「物価高対策」が最大の争点になるのだとすれば、実現の可否はどうあれ、その言葉には具体性がありわかりやすかった印象。それだけに、もう少し意見を戦わせる場が見たかったが、全体的に重い雰囲気の中では難しかったか。

いずれにしても「討論」には得手不得手があるのも事実。これが全てではないが、一定の判断材料にはなっただろうか。

(編集部 伊藤 直樹)

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