確定すれば国内外で19体目となる貴重な資料に 木更津高校でニホンアシカの剥製発見か【木更津市】
千葉県立木更津高校で「オットセイ」として保存されていた剥製が、絶滅したと考えられている貴重な「ニホンアシカ」では? と注目を集めています。
博物館企画展の出品準備中に発見
ニホンアシカは日本近海に生息していましたが、乱獲や環境の変化により激減。
1975年が最後の生存情報で、近く絶滅種に認定される可能性があります。
県立木更津高校は1900年の創立当時から、教材として約100体の剥製を保存していて、千葉県立中央博物館が昨年3月に開催した「理科室のタイムマシン 学校標本」に14体の剥製を出品。
準備を進めていた斎木主任上席研究員がオットセイを「ニホンアシカでは?」と着目し、二ホンアシカの研究で知られる国立科学博物館の甲能博士に連絡。
調査の結果、毛の生え際の特徴や、台座に書かれた製造業者や販売時期などから、その可能性が高いと判明しました。
現在ニホンアシカの剥製は18体が確認され、国内では西日本に14体を保存。
ほとんどが島根県付近に生息していた個体と考えられ、今回の剥製が太平洋側生息の個体なら、学術的に貴重な2体目となります。
現在剥製は甲能さんの下、DNA鑑定などの詳しい調査を受けています。
貴重な学校の資料に光が当たる
ニホンアシカの剥製は、明治時代に業者が旧制中学校に販売。
大阪府内の3つの高校でも発見されています。
同校理数科長の小川教諭は「いつも目にしていた展示物が…と驚きました。戦火や災害に耐えた学校の資料に光が当たったのはいいことですね」と語ります。
多くの資料を保管する「学校」。
貴重な資料は身近に眠っているかも知れません。