自民・維新が連立樹立 『合意書』から読み解く経済・財政政策
10月21日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、自民党と日本維新の会の連立合意について意見を交わした。
合意文書の経済財政側面、6つのうち確実にやるのは4つだけ
自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表は、10月20日、国会内で党首会談を行い、連立政権樹立に向けた合意書に署名した。高市総裁は10月21日に国会で第104代総理に指名されることが確実となり、皇居での総理親任式と閣僚認証式を経て新内閣を発足させる。合意書では衆議院の定数465人の一割を目標に削減するため、臨時国会で議員立法案を提出し成立を目指すと明記した。
災害時などに首都圏機能を代替する維新の看板政策「副首都構想」は、「臨時国会中に協議体を設置し、来年の通常国会で法案を成立させる」とした。原子力潜水艦を念頭に次世代の動力を活用した潜水艦の導入についても「政策を推進する」と盛り込んだ。
両党で隔たりが大きかった企業・団体献金の禁止については、2027年9月までの高市氏の総裁任期中に「結論を得る」とし、臨時国会中に協議体を設置することで折り合った。食品の消費税率0%への引き下げは「2年間に限り対象としないことも視野に、法制化につき検討を行う」との文言で決着した。自民が先の参院選で公約に掲げた国民1人原則2万円の現金給付は行わない。
「自民党と維新の連立、改めて政策面ではどうご覧になりますか?」(寺島アナ)
「経済政策に関して言いますと、補正予算的なものには新しい要素はあまり無いように、合意文書の範囲では思いました。しかし最近、自民党はXに“自民党広報”というアカウントを持って、そこで記者会見の各メディアとのやり取りも含めて全文掲載しているんですよ。これすごく良いことだと思います。今回の合意文書も、維新も自民もともにXに全文を載せてくれました。それによって補正予算に関しては合意文書に無いところに高市さんの断りがあるかなと思いました」(田中氏)
田中氏は、合意文書から経済財政政策を分析。
「合意文書の経済財政側面について、6つの点があるんです。そのうち確実にやるのは4つだけです。他は政治家がよく使う、いかようにも読める逃げが打てる文章になっているわけです。何を確実にやるかと言うと、『ガソリン税の暫定税率廃止』。あと『電気・ガスなどの物価高対策』、これ夏場やっていたものを冬場も延長します。3つめ『インフレ対応としての所得税の基礎控除の見直し』というのもありますが、これは“令和7年以内を目処にして取りまとめる”と。“目処”なんです」(田中氏)
「目処って言ってますね」(寺島アナ)
「だからやるか分かりません。あと『給付付き税額控除』も“早急な検討”。“早急な検討”っていうのは期限が無いですからいつやってもいいんです」(田中氏)
〈出典〉
高市氏の首相指名が確実に…自民と維新が連立政権樹立で合意、21日夜に新内閣発足へ | 読売新聞