海遊館で世界最大のカニ<タカアシガニ>の赤ちゃんがお披露目 GW中に変態するかも?【大阪府大阪市】
海遊館(大阪府大阪市)は4月23日、同館で誕生したタカアシガニの赤ちゃん(メガロパ幼生)の展示を開始しました。
メガロパ幼生は稚ガニへの変態が起こると予想されており、ゴールデンウイーク期間中にメガロパ幼生と稚ガニの両方が見られるかもしれません。
3メートル超!世界最大のカニ「タカアシガニ」
タカアシガニMacrocheira kaempferiは主に日本近海と台湾で見られるクモガニ科の甲殻類です。
本種のオスは鋏脚を広げると3メートル以上にもなります。この大きさからタカアシガニは世界最大のカニであると同時に、節足動物としても世界最大でもあるのです。
また、タカアシガニといえば底引き網で漁獲されることから、深海に生息するカニのイメージがありますが、春になると産卵のために浅海域に移動することが知られています。
深海を再現した海遊館のタカアシガニ飼育
1990年に開業した海遊館では、当初より最大水深8000メートルに達する深海を再現した「日本海溝」水槽でタカアシガニの飼育と展示を行ってきました。
また、2023年には和歌山県で漁獲された抱卵中のタカアシガニから誕生したゾエア幼生120匹を搬入。水族館では初となる稚ガニへの育成に成功しているのです。
なお、この成果については海遊館機関詩「かいゆう」のVol.27で発信されています。
メガロパ幼生の展示
海遊館では3月7日、「日本海溝」水槽にてタカアシガニの赤ちゃんが生まれているのを飼育員が発見。発見された後に約300匹を予備水槽へ移動し、アルテミアやサクラエビなどの餌が与えられました。
その後、タカアシガニの赤ちゃんはメガロパ幼生まで成長。今回の「タカアシガニ(メガロパ幼生)展示」でお披露目されることとなりました。
展示場所は海遊館エントランスビル4F、大きさ約3ミリのメガロパ幼生3~5匹が展示されています。
タカアシガニの誕生直後はゾエア幼生と呼ばれる小さな幼生が脱皮を繰り返すことにより、メガロパ幼生へ経て、脚を広げた大きさが1センチ程の稚カニへと成長します。
同館では、ゴールデンウィーク期間中、現状のメガロパ幼生から稚ガニへの変態を予想。海遊館によると、稚ガニまで成長した場合は「国内初の展示」となるようです。
深海好きは見逃せない展示!
海遊館の「タカアシガニ(メガロパ幼生)展示」は深海生物好き、カニ好きの方には堪らない展示となっているでしょう。ゴールデンウイーク期間中はぜひ、貴重なタカアシガニのメガロパ幼生に会いに行ってみてはいかがでしょうか。
運が良ければメガロパ幼生と稚ガニの両方が見られるかもしれませんね。なお、生き物の状態により告知なく展示を中止・終了する場合があるとのことなので注意が必要です。
詳しい情報は海遊館公式WEBサイトで確認することができます。
※2025年4月30日時点の情報です。
(サカナト編集部)