渓流の女王『ヤマメ』の一生は「山あり谷あり」 挫折を知った強さに励まされるアングラーも?
渓流魚の人気ターゲットであるヤマメ。前回はイワナについて調べ記事にしましたが、ヤマメはどうなのかと思い調べた筆者。その中で面白いというより、釣り人だけに限らず誰にでも勇気を与えてくれる情報があったので、今回はその情報を紹介したいと思います。
渓流の女王『ヤマメ』
ヤマメは渓流区域に生息する渓流魚であり別名は“渓流の女王”。その名の通り美しい色彩をまとい、女王と呼ばれるにふさわしい魚体をしていることから名づけられたもの。パーマークと呼ばれる美しい紅斑に、誰もが魅了されて狙い続ける人気ターゲットです。
下流域に生息
渓流の王様ことイワナよりも、下流域に生息していることが多いです。このヤマメもイワナと同じく、氷河期時代の名残で川に取り残されたちょっとした古代魚でもあります。
釣りにくい
性格はとても臆病で、イワナよりも釣るのが難しいとされている魚。水生昆虫、両生類、時には共食いもするほどの獰猛さも持ち合わせています。
かなりの激流の中に潜んでいることもあり、掛かった際に繰り出される必殺技のローリングは釣り人をヒヤヒヤさせるモノとしてとても有名。目の前でローリングをされ、逃げられてしまった経験がある人もいるかと思います。
降海型は『サクラマス』
ヤマメの降海型はサクラマスと呼ばれる魚。淡い色彩は消えうせ、体一面が銀色の鱗に覆われ女王の面影がなくなる程の成長をみせます。
その姿はまさに白銀の騎士。釣り人にとって憧れの魚であり、多くの人々を魅了してやまない人気ターゲット。
海に降りた後は1年間ほど海で過ごすもののサケのような大きな回遊はせず、翌年の春~初夏を中心に河川へと戻り、早い個体だと降海した秋に遡上する魚もいるらしいです。地域や河川によってその盛期はバラバラ。
釣りの最難関ターゲット
サクラマスはヤマメ以上に釣ることが難しい魚。筆者もまだその姿を見たことがなく、知人も最初の一匹を掛けるのに数年を要したと話していました。
とんでもなく難易度が高い魚ですが、早くその顔を見たくてしょうがない筆者。それは話で聞いても、何かの釣り雑誌で見てもその難しさが垣間見える魚という認識があります。
一生懸命を狙っても釣れず、心が折れてしまう人もいるとか。その存在を自身の目で見るまでは幻の魚とも思われるサクラマス。今年狙えるかどうか…。
負け組がサクラマスになる
多くの人々を魅了するサクラマス。しかし、なぜ海へ降りる魚と川へ残る魚がいるのか。実は海に降りてサクラマスとなるヤマメは、川での生存競争に敗れ追いやられてしまった魚らしいのです。
なんとなく海に降りるのではなく、生存競争に負けてしまった個体が海へと降りる。まさかこんな話があると今まで知る由もありませんでした。なんだか同じ生物として胸が痛む話です。
海に無事に降りられる保証もありません。途中で他の生物に食べられたり、力尽きてしまう個体もいます。まさに山あり谷ありです。
挫折を知った強さ?
雑誌でみるサクラマスのカッコイイ顔を見た時、そりゃあんな顔つきにもなるわなぁ…と最近では思います。負けても挫けず力をつけてきたサクラマスは、鋼の鎧を身にまとった姿ともいえるほど屈強な体をしています。
多くの人たちが知らずとも魅了される理由がここにあるなと思いました。色々挫けそうな事があっても、常に泳ぎ続けるサクラマスを思うとなんだか勇気が出てきます。今年は会えることを願って行動したいです。
<泉陽登/TSURINEWSライター>