「衝撃の実話」を基にした映画3選!栄光の輝きと暗闇を描く『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』ほか注目作続々
世界最高峰のバレエ団“ボリショイ・バレエ”を舞台に、完璧なプリマになることに取りつかれたアメリカ人バレリーナの狂気に満ちたサイコ・サスペンス『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』が、4月25日(金)より全国公開となる。
本作をはじめ実話を基に製作されている映画は数多くあるが、今回はその中でも衝撃的な実話をベースに映画化された今春公開の3作品を紹介。現代を生きる私たちが見ることのできなかった衝撃的な事実を、ぜひ劇場で体験しよう。
『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』
4月25日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
まずは『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』だ。本作の主人公ジョイはボリショイ・バレエ団にスカウトされアメリカから単身ロシアへと向かうが、そこで待ち受けていたのは厳しすぎるレッスンに、差別、ライバルとの激しいぶつかり合いだった。そこでもまれるうちにジョイはプリマに執着していき、やがてとんでもない行動に出ることになる――。
このドラマチックな物語は、2012年にアメリカ人女性で初めてボリショイ・バレエ団とソリスト契約を結んだジョイ・ウーマックがモデルとなっている。ジョイは振付や細かい演出など映画製作にも積極的に参加。作品のリアリティがより高まったことで、華麗なバレエ界の裏側で当時のダンサーたちが直面していた過酷な現実をセンセーショナルに描き出した。
ジョイは現在もパリ・オペラ座で契約団員として踊るなど世界の舞台に立ちながら、自らの経験を活かし若いダンサーを支援するための組織<Project Prima>を創設し、後進の指導にも携わっている。
『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』
4月11日(金)より全国公開中
本作はあのアドルフ・ヒトラーを“英雄”に仕立て上げ、大量虐殺に国民を加担させたナチの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスを描く伝記映画、その名も『ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男』。
当初は平和を強調していたが、ユダヤ人の一掃と侵略戦争へと突き進むヒトラーから激しく批判されたことで信頼を失ったゲッベルス。愛人との関係も断ち切られた彼は、自身の地位を回復させるためにヒトラーが望む反ユダヤ映画の製作、大衆を扇動する演説、綿密に計画された戦勝パレードを次々と企画し、国民の熱狂とヒトラーからの信頼を再び勝ち取ることになるが……。
終戦から80年、今も世界はゲッペルズ(扇動者)があふれ私たちは操られている――そんなメッセージから分かるように、その危うさは数十年を経た現代社会にも通ずるものだと警報を鳴らす作品だ。
『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』
5月9日(金)より全国公開
マン・レイ、パブロ・ピカソ、ココ・シャネルら時の天才たちを魅了したミューズがモデルから転身し、20世紀を代表する女性報道写真家へ――。その情熱的で数奇な運命を描いたのが『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』だ。
本作の主人公のモデルとなったリー・ミラーは、英国版「VOGUE」誌の記者として第二次世界大戦中のヨーロッパを取材した、アメリカの先駆的な従軍記者兼写真家。彼女は歳を重ねるごとに、自分のことをモデルや男性アーティストたちのミューズとして覚えてほしくないと思い、当時の女性に対する期待やルールに逆らい、戦争の最前線から事実を報じるため、ヨーロッパへ渡る。
のちにリーは従軍記者兼写真家として、ヒトラーが自死したその日に、ヒトラーのアパートの浴室で自らのポートレイトを撮影。そのジャーナリスト魂は今もなお語り継がれている。