丸井、失敗を恐れずイノベーションに挑んだ社内事業を表彰 社員株主プロジェクトなどを選出
丸井グループ(東京都中野区)は10月29日、失敗を許容し挑戦を奨励する文化の醸成に向けて、企業価値向上に貢献したチームを表彰する社内イベント「第5回Breakthrough Award(ブレイクスルーアワード)」を開催したと発表した。
同社は現在、これまで取り組んできた「手挙げの文化」など独自の取り組みをさらに進め、社員がより多くの打席に立ち(挑戦の機会を持つ)、イノベーション創出につながる試行(成功事例だけではなく失敗事例も含むチャレンジ)を目標に掲げ、イノベーション創出に向けた挑戦を促している。
社員がチャレンジを「自分ごと」にした好事例の数々
同アワードは、2019年に始まった社内表彰制度。Breakthrough(現状の課題や困難、障害を打破した取り組み)として、「総合部門」、「イントラプレナー(新規事業を想起させるチャレンジやプロセス)部門」、「DX推進(DX推進による身近な課題解決をはかった取り組み)部門」、「Fail Forward部門」の4つの賞がある。
今年度は、手挙げで集まった社員が中心となって実施した「社員株主プロジェクト」やコールセンター全体で意識改革に挑んだ「コールセンター・レボリューション」などの取り組みが選ばれた。表彰式には、手挙げで選ばれた316人の社員が参加。受賞者によるブレークスルーしたポイントや実際にどのような成長や変化があったかなどのプレゼンを聞き、チャレンジを「自分ごと」と捉え今後のヒントとした。
社員株主プロジェクトでは、2000人超の社員と対話し株主意識を醸成
丸井グループは2022年、人的資本投資の一環として、社員への譲渡制限付株式付与を開始した。株価向上による経済的な利益享受とともに、社員が株主や投資家と同じ視点を持つことで株主意識の醸成をはかっている。一方で、一部の社員の間では、株式付与だけでは、本来の目的である株主意識の醸成を推進するには限界があるという考えが広がっていたという。
そこで、手挙げで集まった社員が中心となり、「社員株主プロジェクト」を発足。株主になることの意義など基本理解を深めるフェーズから、業務における株主視点の意識付けや議決権行使などの活動に加え、各事業所で説明会を開催し、全社員の半数以上にあたる約2600人との対話を実施した。
その結果、対話に参加した9割の社員に行動変容が見られるなどの成果につながった。
単調になりがちなコールセンター業務を改革
手挙げで集まった60人の有志社員がチャレンジしたのは、定型かつ受身になりがちなコールセンター全体の意識改革を行うプロジェクト、その名も「コールセンター・レボリューション」。
雇用形態にかかわらず全社員を対象に、コールセンターの本来のありたい姿や利用者への接客方法などをテーマに、対話型による研修を実施したところ、一人ひとりが持つ接客ノウハウの共有化を実現。コールセンター全体が顧客に寄り添う提案型の接客の浸透につなげた。
「働く社員の意識改革」というハードルの高い取り組みをコールセンターで成し遂げたことは、どんな職場でも工夫次第で成果を出せることの証明である、と同社は評価した。
クレカを利用した保護犬猫支援の取り組みなども表彰
このほかに、今回のアワードでは、クレジットカードを利用するたびに自動寄付され保護犬猫支援に貢献できる「エポスペットカード」発行を目指したプロジェクトや、DX推進の鍵となるアジャイルな組織開発を進めるジョイントベンチャー立ち上げなどが表彰された。
発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。