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猫の『お腹』はなぜ白が多い?お腹の柄にまつわる豆知識 キジトラ、三毛…代表的な柄、お腹側はどうなっている?

ねこちゃんホンポ

猫の『お腹』はなぜ白が多い?考えられる理由

諸説ありますが、猫のお腹が白いのには以下のような理由が考えられます。

立体感をなくすため

猫のお腹が白いのは、立体感をなくし周囲に溶け込むためです。つまり猫の祖先たちが厳しい自然の中で生き抜くために、巧妙なカモフラージュ「保護色」を身につけた結果なのです。

まず動物が視覚で物体を認識するとき、光と影の差が重要な役割を果たします。通常、太陽の光を上から受ける背中側が明るくはっきり見えて、影となるお腹側はぼんやりするのです。

そのため猫の被毛は背中側をあえて暗い色にして光の反射を抑えつつ、お腹側は白くすることで明るく見せて、全体の明暗のコントラストを抑えました。そのおかげで、立体感をなくすことができたのです。

肉食動物の猫にとって、狩りの成功の第一歩は「どれだけ獲物に気づかれずに近づけるか」ということ。獲物となる草食動物は、広い範囲を見渡せる代わりに物体を立体的にとらえるのが苦手なので、どれだけ景色に溶け込めるかは重要なポイントなんですね。

立体感をなくし景色に溶け込めば、草食動物がいくら広範囲を見渡せてもなかなか捕食者を見つけられません。これを「保護色」と言いますが、わかりやすくいうと人間でいう「迷彩服」のようなもので、自然の中で培われた巧妙な生存戦略の一端なのです。

そしてそういった戦略もあって、猫だけでなく、祖先のリビアヤマネコ、ライオン、トラ、ジャガーなどのネコ科動物もほとんどお腹は白いです。

逆にいうと、そういった色をしていないと狩りの成功率は下がり、また小型のネコ科動物は外敵にも襲われやすくなって、厳しい野生環境では生き残れなかったのかもしれませんね。

熱反射を防ぐため

猫のお腹が白い理由で考えられるものに、「熱反射」があります。

猫の祖先のリビアヤマネコは、砂漠のような暑い環境で暮らしており、白い色は砂漠の地面からの照り返しを反射させる効果もあったようです。

つまり白いお腹は、砂漠という状況下で、猫の体を過熱から守るための重要な役割を果たしていたんですね。

猫の代表的な毛柄のお腹部分はどうなってる?

猫の毛柄は、大きく分けてお腹が白いタイプと、全身に柄が入っているタイプと、単色のタイプとに分かれます。

お腹が白い毛柄

黒白・灰白・三毛・縞三毛・とび三毛・キジトラ白・茶トラ白・サバトラ白・ハチワレ・シミ付など

これらの毛色の猫は、みんな決まってお腹が白です。お腹が黒、背中が白といったパターンは見かけたことがありませんね。

全身に柄

キジトラ・茶トラ・サバトラ・サビ・ヒョウ柄・麦わらなど

これらの毛柄を持つ猫は、全身に何かしらの毛柄をもちます。お腹が白っぽい子もいますが、基本的には薄くてもなにかの柄が入っているのが特徴です。

ちなみにキジトラのお腹には縞模様やヒョウ柄が入っています。

単色

黒・白・グレーなど

こういった毛柄の猫たちは、全身が無地単色の毛で覆われています。黒猫の場合、エンジェルマークといってお腹にうっすら白い毛が入っている子もいるようです。

猫の毛柄にまつわる豆知識

猫の毛柄は上から順に決まる

猫の毛柄は遺伝子の組み合わせによって決まりますが、頭部や背中、そしてお腹にかけて順番に色が入るのだとか。

そういわれると背中側の色が薄くて、お腹の色が濃いというパターンの猫がいないのも納得できますね。

日本で一番多い毛柄はキジトラ柄

日本で最も多く見かける毛柄は、キジトラ柄です。茶色をベースに黒色の縞模様が特徴的で、野生味あふれる美しさを持っていますね。

キジトラ柄は、猫の祖先であるリビアヤマネコの毛柄に近いとも言われており、「猫本来の模様」です。

数が多い理由としては、キジ柄という毛柄が迷彩効果を発揮させ生き残りやすかったことや、遺伝的に出現しやすい毛柄であることが考えられます。

野生気が強いので、ワイルドで警戒心が強い一面がありますが、大好きな飼い主には甘えん坊な一面を見せるそうです。そのギャップもたまりません。

まとめ

猫のお腹が白い理由は、諸説あるものの、自然の中で生き抜くための戦略が詰まっています。

そしてこれらの特徴は、猫がいかに環境に順応してきたかを物語っていて、家庭で暮らす猫たちからは想像できないような、厳しい環境を生き抜いてきた証拠なんですね!

このように、猫の毛柄に隠された秘密を知ればもっと深く愛猫を理解し、その存在がさらに特別なものに感じられるのではないでしょうか?

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