ニュースを見ると外国が怖いです。世界は楽しいところがたくさんあると言いますが、どう思いますか?
ふらっと こども電話相談室
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。今回の質問は・・・
Q. 外国のニュースを見ると争いがあって怖いです。パパやママは、世界は楽しくていいところがたくさんあると言います。先生と向井さんはどう思いますか?(東京都 はるかちゃん 6歳 保育園)
(回答した先生)金井真紀さん/文筆家、イラストレーター
向井おにいさん:はるかちゃんは今日、何してましたか。
― 友だちとピクニックしてた。
向井おにさん:えーっ、楽しそう! 寒くなかった?
― あのねえ、どんどん日なたじゃないところになっちゃうから、どんどんシートを動かしていかないといけなかった。
向井おにさん:ハハハッ、そうかあ。はるかちゃん、この質問はなんで聞こうと思ってくれたんですか。
― ちょっと外国が怖いから。
向井おにいさん:でも行ってみたい気持ちもあるの?
― うん。
向井おにいさん:はるかちゃん、ニュースも見たりするの?
― うん、パパが見てるから。
向井おにいさん:すごい。そしたら外国ってなんか怖そうだなっていうイメージが今はあるんだね。
― うん。
金井先生:はるかさん、こんにちは。質問してくれてありがとうございます。はるかさんは、今は行きたい外国はないんですか?
― ない。
金井先生:パパとママは行きたいところがあるのかな?
― パパは行ったことがあるって聞いた。
金井先生:あぁ、それで楽しいよって言ってたんですね。でも怖いですよね。怖い気持ちもとってもよくわかります。実際、怖いこともたぶんあると思うんですね。だけどやっぱり私は外国に行くのがすごく好きなので、楽しい派なんですね。パパと一緒なんですね。
― うん。
金井先生:どういうところが楽しいかっていうと、例えばこの1年間でいうと私が行ったのは、モロッコっていう国と、パラグアイっていう国と、イランっていう国なんですけど、どこも初めて行って、全然なじみがない、知らない国だったんですけど、どんな国かなって行く前に調べるのがまず楽しい。そして行ってみると、日本と同じところと違うところが両方あって、もうすっごいワクワクするんですね。
― うん。
金井先生:それで、帰ってくると一回行った国がもう友だちみたいな気持ちになって、その国のことがニュースや本に出てくると、もう自分の友だちが出てきたみたいな気持ちなんですね。最初は知らない国だったから怖かったんだけど、行って帰ってくるともう怖くなくて、もし怖いニュースがあっても「心配だなあ」って思うような感じになるんですね。
― うん。
金井先生:そういうところが私は楽しいんですけども、そういう話を聞いて、どうですか?
― ・・・・・・。
金井先生:ふふふ。たぶんね、わかんないと思うんですよ。そして、無理に外国に行く必要もなくて、無理に楽しいと思う必要もないと思うんですよ。怖い気持ちもすごく本当の気持ちだから、怖いところに無理やり行く必要は全くないと思うんですね。
それで、はるかさんは東京に住んでるってことなんですけど、東京っていろんな外国の人も来るし、住んでるし、いろんな外国のお料理もあるし、いろんな外国のお洋服もあるし、スポーツもあるし、お菓子もあるし、いろんなものがある街ですよね、東京は。
― うん。
金井先生:外国の人とか物に会うチャンスがいっぱいあるところに運よくはるかさんは住んでると思うので、無理やり外国に行かなくても、日本でも楽しい気持ちを感じることができるかなあと思うんです。例えばはるかさんは、何か好きなものありますか? お菓子が好きとか、スポーツが好きとか。
― うーん。好きなものは・・・。
向井・金井:うん、うん。
― 好きなものは・・・。
向井・金井:うん。
― 好きなものはぁ・・・。
向井おにいさん:ふふふ。何が好きかなあ。
― 食べ物だと・・・。
金井先生:うん、食べ物だと?
― ブロッコリー。
金井先生:おぉ、ピンポイントですね! ブロッコリーが好きなんだ。
― 野菜だったらね。フルーツだったらマンゴー。
金井先生:マンゴー! いいですねえ。そういうお野菜やフルーツがどこの国にあるのか、似たようなものがあるのか、全然違うのかとか・・・。例えば、ラーメンは好きですか? 餃子はどうですか?
― 妹がいるんだけどね、餃子が大好きなの。
金井先生:私と一緒だ(笑)。例えば餃子なんかもね、外国には日本で見る餃子と似た餃子もあるし全然違う餃子もあるみたいなんですよ。世界に出かけていくとそういうのが見えるんだけど、でも日本にいても東京でもいろんな国の餃子があったりするんですよね。だから、「あ、こんなのあるんだ。これ現地で食べてみたい」っていつか思ったときに、外国に行ってみるのがいいかなと思うんですね。好きなものが入口だったらあんまり怖くないかなって思うんですけど、どうでしょうか?
― ・・・いいと思います。
金井先生:よかった。
向井おにいさん:はるかちゃん、ちょっと外国に行ってみたいかもなあ・・・なんていう気持ちにはなりましたか?
― はい。
金井先生:ゆっくりね、急いで行く必要ないですけどね。
向井おにいさん:いつか外国でピクニックなんかしていただきたいですね。
金井先生:最高ですね!
向井おにいさん:日本でするピクニックとは違ったりしてね。
金井先生:うん、うん。
(回答者プロフィール)金井真紀さん。文筆家でイラストも手がけています。「おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行」(岩波書店)、「聞き書き 世界のサッカー民 スタジアムに転がる愛と差別と移民のはなし」(カンゼン)、「日本に住んでる世界の人」(大和書房)、「パリのすてきなおじさん」(柏書房)、「マル農のひと」(左右社)など、面白そうな人を訪ねて書いた本がたくさんあります。