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「スノーボードは生きること」──その本質が刻まれたムービーが世界基準で豊作。プレミアへ足を運べ

Backside

BACKSIDE 編集部

今シーズン、国内ムービーがかつてない盛り上がりを見せている。ひと昔前のムービー全盛期を思い出す声も上がるが、懐古ではなく進化だ。2025-26シーズンは、作品の“質”も“個性”も、世界基準で豊作と言っていい。
先陣を切ったのは、9月下旬にオンライン公開された片山來夢率いるSKETCHY SUNCAの処女作『IGNITE』。10月に入ると、Cheeba Filmsによる佐藤秀平&吉田啓介主演の『北門 -Hokumon-』が東京・中目黒でプレミアを開催。そして、福岡を皮切りにツアーを展開しているKIYO FILM『NEKOSOGI』。さらに本日、工藤洸平が手掛けるNOMADIK(ノマディック)の2作目『GYPSY Ⅱ』が東京・表参道で幕を開ける。
この熱量の背景にあるのは、“プロダクションではなくプロジェクトが核になる時代”へと移行したことだ。國母和宏が生み出したSTONP以降の世代がそれぞれの仲間と世界観を築き、作品という形で思想と滑りを提示する。一本ごとに主張が異なり、ライディングだけでなく“生き方”までもが作品に宿る。SNSの時代にあっても、ムービーが持つフィルムの力はむしろアップデートされている。
その幕開けとなったのが、10月3日に行われた『北門』のプレミアだ。スクリーンに映し出されたのは、秀平と啓介のスタイリッシュなバックカントリーライディング、そして酒と仲間を愛し、雪と街の両方で生きるリアルな姿だった。北門とは、ふたりの出身中学校の名前。オープニングでは卒業アルバムが巨大スクリーンに映し出され、爆笑トークで場が温まった直後、上映が始まると会場は一転して緊張感に包まれ、心震えるシーンでは歓声が響いた。終演後、会場にいたスノーボーダーたちは言葉を交わし、また雪山へ向かうモチベーションを取り戻す。プレミアという文化が持つ本質的な価値を思い出させてくれる夜だった。
 

 
そしてこれは、まだ“序章”にすぎない。 『NEKOSOGI』は全国ツアーが続き、『GYPSY Ⅱ』も本格展開がスタートする。
もし、スノーボードを“観る”以上に“生きる”ものとして味わいたいなら──プレミアの現場に足を運んでほしい。スクリーンの熱、会場の空気、ライダーの息遣い。出演ライダーたちと同じ空間で言葉を交わせる体験は、PCやスマホでムービーを観ていては決して得られない。あの場所でしか生まれない熱量が、今シーズンは確かに存在している。

text:Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos:Mountain Hardwear

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