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【「山と食欲と私」コラボ企画①】大人気マンガに山ごはんレシピを載せたい!“食の宝庫”北海道であえて選ぶ「意外なグルメ」を作者にプレゼン!

Sitakke

Sitakke

北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
普段は山登り初心者でも楽しめる、お手軽✕絶景の山をご紹介しているのですが、今回は、特別コラボが実現!
大人気マンガ「山と食欲と私」(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社)、通称「山食」と“山ごはんレシピ開発”をしちゃいます!!

【連載】「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

「山と食欲と私」は私の原点…!こんなご縁がありました

「山と食欲と私」(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社)は、「単独登山女子」である主人公・日々野鮎美が、山や人との関わりあいの中で成長していくストーリー。

その作者である信濃川日出雄さんは、札幌在住!
私の山登りのきっかけでもあり、バイブルでもある「山食」について、以前インタビューもさせていただきました。

前回のインタビュー記事はこちら!
▼実はコレが私の山登りの原点…!マンガ「山と食欲と私」が大好きなものを教えてくれた【作者・信濃川日出雄さんに特別インタビュー!】前編

実はそのインタビューのときに、こんな話題が出ていたんです。

「レシピのネタを常に探している」

だったら、ぜひ!「山食」で鮎美ちゃんが頬張る山ごはんを、私からも提案したい!と前のめりでお願いしてみました。

そうしてスタートした「山食×山々コラボレシピプロジェクト」

せっかくなら北海道のおいしい食材を鮎美ちゃんに食べてほしい!

すると早速、信濃川先生からのお題と指令が…

北海道は「うまい」の宝庫だけど、あえて…

サケでもイクラでもとうきびでもなく、いわゆる「THE!北海道!」ではない、あまり知られていない、でも北海道だけで食べられている知る人ぞ知るおいしさ…

むむむ…

札幌出身札幌育ち、生粋の道産子の私としては、何としてもこのお題にこたえたい!

そのとき思い浮かんだのが、大学時代の思い出の味でした。

中央が大学時代の私です…!

大学時代はよさこいチームに所属していた私。北海道内外のお祭りやイベントを訪れていました。

そんななかで毎年訪れていたのが空知にある「日本で一番小さい市」歌志内市でした。
そして、いつも地元の人が大きなお鍋でふるまってくれたのが「なんこ」

「なんこ」とは馬の腸を味噌でじっくり煮込んだ歌志内の郷土料理です。

豚でも牛でもなく、馬の腸!北海道の他の地域ではほとんど食べられる習慣はありません。
これで「知られざる」グルメはクリア!

さらに「スタミナがつく」「馬力がでる」と言われる馬肉料理ですから…
これって、山で食べるのにもぴったりなのでは!?

どうですか、信濃川先生!

おっ!いい手ごたえ…!ということで、次なる指令の元、私、歌志内に行ってきました!

▼取材記事は…
堀内美里アナも虜!“日本で一番小さい市”の名物「なんこ」は「人が集まる場所」の味


炭鉱マンの味は人の集う場所にあり

歌志内市郷土館提供

歌志内市は、古くから産炭地として栄えてきたマチ。

1960年ごろまでは人口は4万人以上!しかし今は約2600人と、「日本で一番小さな市」になっています。

なんこは、そんな「石炭のマチ」歌志内で古くから食べられていた「炭鉱マンの味」。

炭鉱ではたくさんの馬が働いていて、作業中に命を落としたりケガをしたりした馬を弔いの意味もこめて食べていました。

馬がとても身近だったという歌志内市 歌志内市郷土館提供

「リヤカーを引いたおじさんが、一斗缶入りの生のなんこを売りに来ていた」

「馬の腸には内容物が詰まっていたり毛があったりと、今売っているものとはずいぶん違って、寒い時にかじかみながら塩をかけたわしでこすり、下ごしらえをしていた。それが子どもの仕事だった」

歌志内市郷土館がまとめた資料には、そんな当時を振り返る証言もあります。

親せきや家族で集まるときには食卓に上っていたなんこ。

「たけのこ入りがご馳走だった」と話してくれる方も多かったです!

家庭によって、味も具材もさまざまですが、お正月には、たけのこをいれたなんこを作る家庭も多かったようです。

さて、昔から家庭で親しまれてきたなんこ。大学時代に私が味わった「第二のふるさとの味」を教えてもらいに、あるお家におじゃましました!

「山ごはん」化に向けて抜かりなく研究していきますよ!

▼取材記事は…
堀内美里アナも虜!“日本で一番小さい市”の名物「なんこ」は「人が集まる場所」の味


大学時代にふるまってもらった懐かしの味!

お邪魔したのは、三浦さんのお家。

大学時代、お母さんの三浦勝子さんは、私たちよさこいチームのために5キロ以上のなんこを大きなお鍋いっぱいにつくってふるまってくれました。

しかもいつもお土産にも持たせてくれるんです。

冷凍保存して大事に食べている「三浦家のなんこ」

私の自宅の冷蔵庫には「三浦家のなんこ」が常備されていて、大事に大事に食べています。

その作り方を伝授してもらいましたよ!

なんこはよーく洗ったあとに一口サイズに切って、1~2度下茹で。

そのあとさらに酒と油で炒って臭みを飛ばします。

慣れた手つきすぎて、は、はやい…

茹でるときは、脂が全部溶けてしまわないように!独特の香りとともになんこならではのうまみになります。

そうして今度はお水を加えて煮込んでいきます。

しょうがの汁はたっぷり!

1時間から2時間、お好みの固さになったら、たっぷりすったしょうがの絞り汁と、タマネギ、味噌を加えてさらに煮ていきます。

しょうがが加わることで一気にこれまでのくさみが消え、食欲をそそるにおいに変身!
出来上がりが待ち遠しい~!

さらに三浦家では、少しお砂糖をいれるのがポイント。

これが、「三浦家のなんこ」です。

夫の勇さんは元炭鉱マンですが、「これ!この味」と太鼓判。

慣れ親しんだ味は、舌でおぼえ、目分量で繰り返し作りながら受け継がれています。私も見て食べて覚えなくては…!

さあ、作り方を覚えたところで、なんこの材料「馬の腸」を買って帰ろう!と思いましたが…実は、材料の馬の腸がなかなか手に入らないといいます。

「マチで唯一馬腸が買える」と教えてもらったのは意外な場所でした。

▼取材記事は…
堀内美里アナも虜!“日本で一番小さい市”の名物「なんこ」は「人が集まる場所」の味


精肉店は閉まったけれど…

実は今、マチで「馬腸」を買える唯一の場所が、自動販売機!

歌志内市では2023年、マチで唯一、馬腸を取り扱っていた精肉店が閉店。
なんこの材料を買える場所がなくなってしまいました。

それでも、マチの郷土料理である「なんこ」を残したいと、閉店した精肉店自ら設置したのが、自動販売機だったんです。

精肉店のかつての店主・木村竜二さんにもお話が聞けました!

「昔は安くて栄養満点の食材だったけど、今は値段が上がって、盆・正月の特別な料理になった」
「昔は正月付近の一か月で1トン以上の馬腸が売れたんだよ」

木村精肉店の「馬腸」はとてもキレイに処理されていて食べやすく、すでに味付けされた「なんこ」も売られていて、家で水や調味料を追加すると手軽な「なんこ鍋」として楽しむことができます。

自動販売機で「馬腸」ゲットです!

お肉の自販機は増えていますが、「馬腸」を買う日が来るとは…。
たっぷりゲットできましたよー!

ということで、信濃川先生と一緒に、「山ごはん」としてのなんこをさらに研究していきます!
「山食」掲載プロジェクト、ここからさらに本番です!!

この続きは後日公開します!お楽しみに!

▼取材記事は…

堀内美里アナも虜!“日本で一番小さい市”の名物「なんこ」は「人が集まる場所」の味

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連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。

文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビ「グッチーな!」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」、HBCラジオ「平野龍一のミライの扉」を担当。登山歴3年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中

編集:Sitakke編集部あい

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