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「バッテリーから始まる守備」で甲子園30勝を…キーマンは2番手投手に台頭する“新垣有絃”、代打の切り札から4番までこなす“阿波根裕”【センバツ高校野球目前!沖縄尚学編】

OKITIVE

勝負強さが武器の阿波根裕
ノック練習に汗を流す沖縄尚学の選手たち=3月1日、八重瀬町の尚学ボールパーク(長嶺真輝撮影)

第97回選抜高校野球大会(以下、センバツ)の幕開けが迫っている。7日に抽選会を行い、18日に兵庫県西宮市にある聖地・阪神甲子園球場で開幕。全国各地から選抜された32校が13日間(雨天順延、休養日を含む)の日程でトーナメント戦を行い、日本一を決める。 沖縄からは昨秋の九州大会で2年ぶり4回目の優勝を飾った沖縄尚学、準優勝のエナジックスポーツ(以下、エナジック)が九州地区から選出。沖縄から2校同時にセンバツ出場を決めたのは、2014年に沖縄尚学と美里工業が出場して以来、11年ぶり。これまでを振り返ってもわずか3回目という快挙だ。 過去に2度のセンバツ優勝を誇る伝統校の沖縄尚学は、2年ぶり8回目の出場となる。沖縄勢が春夏通じて初めて甲子園の頂点に立った1999年のセンバツ優勝の際、エース左腕としてチームをけん引した比嘉公也監督の下、「バッテリーから始まる守備」を掲げてバランスのいいチームを構築している。 刻一刻と本番が近づく中、チームや選手個々の仕上がり具合が気になるところ。3月上旬に同校の練習を訪ね、筆者が選んだキーマン2人と比嘉監督に話を聞いた。 ※【エナジックスポーツ編】はこちら

比嘉監督「もっと一体感を発揮してほしい」

練習の合間に内野グラウンドの土をならす比嘉公也監督

沖縄尚学の練習グラウンドである八重瀬町の尚学ボールパーク。練習試合の解禁日となった3月1日、正午前に訪ねると、選手たちはチーム内での実践練習に汗を流していた。その後、主力メンバーはノックをこなし、他の選手たちはバッティング練習に。互いに改善点を指摘し合いながら、活気のあるトレーニングを行っていた。 ただ、実践練習ではバントや打球処理でミスをする場面もあり、比嘉監督は「試合への集中力や連係はもっと上げていかないといけないと思っています。バッティングでは打球の速度や飛距離は出てきていると感じます」と評価する。 投手陣は1年生ながら最速150㌔を誇る左腕エースの末吉良丞がメイン。2番手以降の出来は課題となっていたが、指揮官は末吉と同級生の右腕・新垣有絃について「彼は良くなってきている印象です。変化球を投げられる投手で、ストレートをもっと走らせられればさらに良くなると思います」と見る。 同じく1年生の田場典斗など、投手陣は主に下級生が支える。これまでは末吉が先発として長い回に渡ってマウンドに立ってきたが、「尻上がりに投手の球速が上がっていくのが勝ちパターンとして理想ではあるので、できれば末吉は終盤に使いたいですよね」と比嘉監督。本番でどのような起用をするか注目だ。 沖縄尚学は春夏を通じ、これまでに通算26勝を挙げており、今回のセンバツで「甲子園通算30勝」を目標に掲げている。それを達成できれば、あとは決勝を残すのみだ。比嘉監督は本番前の練習試合期間に向けて「実戦に入ればチームの雰囲気も変わってくると思います。『全員でやる』という一体感を発揮してほしいです」と期待した。 チームの信条は「バッテリーから始まる守備」。さらに連係を磨き、堅い守備から試合を作っていきたい。

新垣「スライダーを真っ直ぐの球速に近付けたい」

2番手投手として台頭する新垣有絃

指揮官の話に出てきた新垣については、自身も「変化球を中心に打たせて取るピッチングが持ち味です」と自認する。カーブやスライダー、ツーシームなどを駆使し、制球力も安定してきている。昨年8月の新人大会の頃に比べて「一球一球まわりを見て、マウンドで落ち着いて投げられるようになりました」と精神面の成長も実感している。 最速140㌔超の直球については「もっとキレを増したい」と言う。最も自信のあるスライダーは「もっと真っ直ぐの球速に近付けていきたいです」と進化を見据える。 甲子園のマウンドに立った時の投球イメージを聞くと、「これまで通り、打ち取るところは打ち取って、空振りを狙いたい時はしっかりギアを上げる。自信を持って、しっかりと相手打線を打ち取っていけたらと思います」と決意を示した。 ちなみに、一塁手の新垣瑞稀は一つ上のお兄さん。兄弟揃って甲子園のグラウンドに立つ可能性もある。

阿波根「チャンスで打って打点を挙げたい」

勝負強さが武器の阿波根裕

今回、もう一人の注目選手に挙げるのは、左翼手の阿波根裕である。打線はリードオフマンでキャプテンの眞喜志拓斗や、九州大会の4試合で15打数11安打8打点と大フィーバーした比嘉大登らが中心を担ってきたが、阿波根も「代打の切り札」として重要な試合で大きな存在感を放ってきた。 「1打席、1球で捉えられるのは強みです」と言うように、昨年の秋季県大会決勝では同点で迎えた8回表に勝ち越しの三塁打。九州大会準々決勝でも8回裏に追加点を挙げる三塁打を放った。いずれも代打で、である。 そんな勝負強さが評価されてか、明治神宮大会の1回戦では4番に大抜擢された。辛口な評価が多い比嘉監督をして、「ミート力があるバッターで、自分のやるべきことをよく理解している選手のうちの一人ですね。明治神宮では彼をラインナップに入れても『十分に行ける』ということを確認するために4番に座らせました」と言わしめる。 自身は年明けから調子を落としていたが、練習試合が解禁される前あたりから「少し前まではバットが体から離れていましたが、バッティングが修正できてきました」と好感触を取り戻している。 甲子園には先発と代打のどちらで出場したいかを聞くと、「先発で出て、打席数を多くしたいです」と即答。「チャンスの場面で1本打って、打点を挙げたいです」と力を込めた。 チームとしての目標については「沖縄尚学として甲子園通算30勝の達成を目標にしているので、そのためには決勝まで行かないといけない。まず初戦が大事。初戦を勝ち切り、その流れでどんどん上まで行って、決勝まで行きたいと思います」と展望した。

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