市立図書館 ラッピング車が稼働 配送車への採用は県内初
茅ヶ崎市出身の絵本作家、ヨシタケシンスケさんのデザインが施されたラッピング車両が8月9日から、伊勢原市立図書館の配送車として新たに稼働を始めた。同車両が本の回収として活用されるのは県内初。
伊勢原市立図書館は小田急線伊勢原駅の自由通路にある「駅窓口センター」内にブックポストを設置。利用者の利便性を鑑み、図書館で借りた本の返却先になっている。ポストに返却された本の回収は以前から、図書館の窓口業務などとともに業務委託した事業者が行ってきた。
市は今年度から株式会社図書館流通センター(TRC)と新たな業務委託を始めたことから、同社が導入してるサービスである「軽自動車の移動図書館車LiBOON」を市立図書館の配送車として活用することを決めた。
配送車は週に2回、火曜日と金曜日にポストから返却された本を回収。配送車にはひらがなで「いせはらしりつとしょかん」の名前が入っていることから同図書館では「市民の皆さんの目に触れる機会を増やし、より多くの方に図書館を利用していただくきっかけになれば。図書館イベントなどにも活用できるのでは」と利用者増へ期待を寄せている。
市立図書館によればブックポストの利用は年間1万冊。2023年の図書館での個人貸し出し数約50万冊(図書、雑誌含む)と比べると微々たるものだが、「図書館は貸し出しと返却の継続性が大事。今後も多くの方に利用してもらえるよう努力していく」と語る。
児童書の貸し出しが増加
市立図書館が開館したのが1989年。個人図書の一般貸し出し数は年々減少しているものの、児童書の貸し出しはコロナ禍を経て増加。昨年度は過去最高の24万冊を超えた。同館は「読書マラソン大会」や「おすすめ本3冊セット」が、利用者のニーズにあったのではと分析する。