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地域公共交通、見直す機に デスク・レポート

タウンニュース

▼自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「神奈川版ライドシェア(かなライド@みうら)」が12月17日から本格導入されることが決まった。三浦市はタクシー事業者主体による導入を目指していたが、採算面で難色を示され実証実験と同様の枠組みが継続された形だ。ライドシェアは夜間のタクシー不足を補う一方、財政負担や運転手の担い手確保など課題は残る。

▼神奈川県によると4月から始まった実証実験では11月までの利用実績は208日間で計767回に達した。1日平均3・7回で、当初目標の5回を下回ったものの一定のニーズが確認できたと言えよう。アプリ配車のマッチング率もライドシェア導入前の前年と比べて約20ポイント改善した。現在まで事故やトラブルの報告はなく、キャッシュレス決済を採用することで料金に関するトラブルの未然防止も奏功した形だ。

▼ただ、事業の持続性については懸念も残る。実証実験では、タクシー会社がドライバーと雇用契約を結ぶ形では採算が確保できないことが浮き彫りになった。市と県は事業者とドライバーの業務委託契約を認めるよう国に求めたが、受け入れられなかった。実証実験を踏まえた試算で、不足分と見込まれる年間約120万円は市が負担することになる。利用者拡大へ、今後周知の強化が欠かせない。また運転手確保も課題だ。過去の調査でドライバーは、稼ぎよりもまちの利便性向上に役立てばと慈善精神で参加する人が多いことが分かった。本格導入後は14人から10人に減るといい、人手不足が常態化すれば事業の根本が揺らぎかねない。

▼大切なのは、公共交通のあり方そのものの議論を深めることだ。人口減と高齢化が進むまちで住民の足をどう確保するか。マイカーが主体のまちで高齢化が進めば免許返納が増え、公共交通への依存度は高まる。バスの運行の改善や乗合タクシーといった工夫も欠かせまい。ライドシェア導入を地域公共交通のあり方を見直す機としたい。

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