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県高校新人大会 サッカー女子 柳ケ浦が苦しみの末に7連覇達成 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

大分県高校サッカー新人大会 女子決勝

2月2日 クラサスサッカー・ラグビー場Aコート

柳ケ浦1(0-0、1-0)0稲葉学園

 

 女子サッカーの県高校新人大会の決勝は、柳ケ浦高校が稲葉学園を1-0で下し、7年連続7度目の優勝を手にした。新チームとして初めて挑んだ公式戦での優勝は、決して平たんな道のりではなかった。

 

 両チームはポゼッションをベースとしており、序盤はシンプルにつなぎながらゴールに迫る。しかし、柳ケ浦の選手たちは全体的に動きが重く、プレーに連続性を欠く場面が多かった。キャプテンの田淵聖那(2年)は「試合中のコミュニケーションが不足していた」と振り返る。選手たちの表情には、負けられない重圧からか、どこか硬さが見られた。

 

 柳ケ浦には、年末年始の全日本高校選手権大会を経験した先発選手が5人いる。林和志監督は「全国で得た経験を武器に、チームを引っ張ってほしい」と期待を寄せたが、結果に結びつかなかった。試合の流れを変えるきっかけとなったのは、ハーフタイムでの林監督の一喝だった。「柳ケ浦史上、最悪の試合だ。どこかで『勝てる』と慢心していないか」。厳しい言葉に選手たちは奮起し、後半からは守備の強度を上げ、攻勢に転じた。

 

ほとんどの時間で主導権を握ったが1点にとどまった

 

 試合の均衡を破ったのは後半7分。CKからのこぼれ球を1年生の栄森結菜が押し込み、待望の先制点を挙げた。その後も試合の主導権を握り続けたが、追加点は遠かった。シュート19本を放ちながらも得点は1にとどまり、林監督は「得点力不足が顕著だった。試合前のアップから嫌な予感はしていたが、それがそのまま現実になってしまった」と悔しさをにじませた。

 

 新チーム結成から1カ月足らず。選手間の連係にはまだ課題が残る。林監督は「チーム全体としてまだ物足りない部分が多い。個々の選手はそれぞれ武器を持っているが、それを発揮できる場面が少なかった。公式戦の緊張もあってか、チャレンジした後に失敗すると消極的になる傾向があり、結果に影響した」と試合を総括する。

 

 しかし、前線からのハイプレスやサイド攻撃には光明が差した。林監督は「今年のチームはプレッシャーをかける守備が武器になる。サイドと中央の崩しも良い場面があった。まだ1年生主体の若いチームなので、時間は必要だが可能性を感じる」と手応えを語った。ベンチ入りメンバー20人中15人が1年生という新チーム。成長の余地が多いだけに、今後の進化が楽しみだ。

 九州新人大会まで残り2週間弱。田淵は「個人としてもチームとしても技術の向上が必要。一戦必勝で挑みたい」と強い決意を示した。

 

決勝点を決めた栄森結菜

 

 

(柚野真也)

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