東京湾バチコンアジング釣行でアジ23尾【横浜・渡辺釣船店】平均サイズは20cm台後半
年々盛り上がりをみせるバチコンアジング。一般的なアジングは、陸っぱりで横方向に誘うが、船からバーチカル(縦)にコンタクトさせるため、バチコンと呼ばれている。
ゲーム性の高いバチコン
発祥は福井県や三重県とされるが、東京湾でも徐々にバチコンが楽しめる船宿が増えてきている。手軽にテクニカルなゲームが楽しめるのが魅力だ。東京湾ではLTアジ船に同船させてもらうのが一般的だが、エサやまきエサを使わないのでクリーンに楽しめ、タックルもシンプル。
陸っぱりとは違い、船の下には確実にアジがいるので釣果は堅い。釣れるパターンを見つけた時はもちろん、釣れない時も「どうしたらアジが口を使うか」を考えるため、釣り人を熱くさせるゲーム性の高さがある。
渡辺釣船店から出船
5月8日(水)、横浜山下の渡辺釣船店を訪ねた。同船宿は、いち早くバチコンに理解を示し、東京湾でこの釣りを広めた功績のある船宿。GW直後のためか、前日の予約時には午前船の予約がなく、直前でエサ釣り1人が増えただけで出船してくれた。
準備を済ませ7時に桟橋を離れると、10分足らずでポイントに到着。ベイブリッジ真下の水深15mからスタート。タックルは図参照。
オモリ側のステイトをハーフヒッチで10回ほどリーダーに編み込む。これが現在のバチコンで主流の逆ダウンショットリグ。編み込み部が動くため、枝スの長さが自由に変えられ、テンションがかかると編み込み部が横向きになるためエダスがステイトに巻き付くことが少ない。
東京湾のLTアジ船の指示ダナは、底から2mになることが多いため、ステイトを1.5mほどにしておけば、着底させたときルアーが指示ダナ付近になり、効率よく攻められる。
基本の釣り方はリグを着底させ、まずラインを張らず緩めずのゼロテンションで数秒待って着底直後のアタリを待つ。アタリがなければロッドアクションでルアーを小刻みに動かしたり、ロッドでゆっくりと誘い上げたり。時々ポーズを入れてアタリを出す「間」を作るのも効果的だ。
リアクションバイトを意識
この日もリグを着底させ、数秒待ったあとにボトムに埋まったオモリを抜き、ロッドでルアーアクションをつけていく。
ツンツンと小さく鋭く、上方向に50cmほど誘い上げ、アタリがなければまたボトムまで落とす。最近は木更津エリアでバチコンをすることも多いが、そちらで有効なアクションだ。
エサ釣りの人が少ないとアジの寄りが悪いのか、開始直後はアタリがなく、隣のエサ釣りの人も反応はない様子。10分ほどたってまきエサが効き始めると20cmほどの本命をキャッチ。
このころから私にも小さなアタリが出始めるが、なかなかフッキングには至らない。そこで、鋭くアワせるのではなく、乗せるように掛けていくとフッキングして同級を取り込む。
魚は確実に船下にいるのだが、活性が悪いのかアタリは少なく、あっても小さな反応が多い。
そんな時には反射的に食わせるリアクションバイトをさせるように意識する。
枝スを10cmほどに短くしてルアーがロッドアクションに機敏に反応するようにして、数回ツンツンと誘い上げる。すると、アクション直後の「止め」でアタリが出るようになった。
低活性のなか23尾ゲット
その後、20cm前後をポツポツというペースで追加。この日は港の外側へ向けての流れが強く、徐々に大黒海づり施設方面に流されながらの釣り。開始から2時間ほどの中盤から後半にかけて活性が上がってきたのか、リアクションバイトのほかに、ゼロテンションでのステイ中のアタリも多くなった。
サイズも20cm台半ばから後半の良型が中心。エサ釣りの人は20cm前半が多いなか、明らかにバチコンのほうがサイズはよかった。これも、この釣りの特徴だ。
最終釣果は23尾と、大釣りとはいかなかったものの、けっして簡単ではない状況をある程度は攻略できたため満足の釣行となった。産卵期のためか、食いが落ちるタイミングもあるが、これから初夏にかけては活性がどんどん上がり、横浜周辺では40cmを超すサイズも交じるようになる。バチコンは手軽でありながら奥深いので、ぜひチャレンジしてみてほしい。
<週刊つりニュース関東版 渡邉長士/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2024年6月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。