富士山の入山料いくらが妥当? 静岡県3000~5000円で検討 山梨県2000円から値上げへ
■静岡県は来夏から入山料徴収へ 金額は3つの案を検討
静岡県が富士山の登山者から入山料を徴収する協議を進めている。金額は3000円から5000円を想定し、来夏からの導入を目指す。山梨県では今夏から2000円の徴収を開始しており、足並みをそろえる形となる。ただ、金額については安否両論が巻き起こっている。
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富士登山は近年、十分な休養を取らない「弾丸登山」や観光客の増加で自然環境などに悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」が問題となっている。山梨県は今年の夏山シーズンから夜間の通行規制や通行料の徴収を開始し、登山者減少の効果が出ている。
静岡県も山梨県をならい、来夏から登山時間の規制や入山料の徴収を設ける方針を固めた。入山料は3000円、4000円、5000円の3案を検討し、入山管理料として義務化する。これまで任意で徴収していた1000円の富士山保全協力金は廃止する。
山梨県は入山料にあたる通行料2000円を今夏から導入した。静岡県が新たに設けようとしている入山管理料は山梨県より金額より高くなることから、一部の関係者は金額の差を懸念している。11月21日に地元自治体や富士山の山小屋関係者を集めて開催された会議では、「費用の安い山梨県側に登山者が流れるのではないか」という声が上がった。
ただ、静岡県が検討する入山料の金額は好意的に受け止められている。むしろ、「もっと高くても良い」という声も多い。インターネット上では「富士山は世界に誇る観光地。環境保全や登山者の安全確保に費用が必要なので、5000円でも安い」、「桁が1つ足りないくらい。徴収した入山料の使い道を明らかにすれば登山者は納得するはず。外国人観光客と日本人の金額に違いをつけても良いと思う」などのコメントが並んだ。
静岡県は入山料に加えて交通規制や山小屋の予約などの入山条件をまとめた骨子を12月議会で示し、来年の2月議会で条例案を提出する。また、一部報道によると、山梨県は現在2000円の通行料を上限5000円に引き上げる方針を固めている。
(SHIZUOKA Life編集部)