八王子市市税納付率 多摩26市でトップ 電子化など活用し2年連続
八王子市は8月26日、2024年度現年課税分の市税納付率が過去最高の99・9%(前年度比0・1ポイント増)となり、多摩26市の中で2年連続で1位になったと発表した。電子化により業務効率化が進み、職員が市民と直接向き合う時間を増やせたことや、税に対する市民意識の向上などを要因に挙げている。
学校教育や社会福祉、ごみの処理から道路・公共施設の整備など、市民が安心して快適な生活を送るための行政サービスを維持するための財源の一つになっているのが市税。八王子市の24年度一般会計歳入予算では、市税が収入全体の約4割を占めており、その約8割を個人市民税と固定資産税が占めるなど市の基幹的な税収となっている。
八王子市の市税納付率は10年前(15年度)時点では99・1%で、多摩26市中16位だった。その後は微増を続け、23年度に納付率99・8%で1位に。24年度には過去最高値の99・9%になり、2年連続で1位となった。この結果を市は「市職員の税への想いと市民の皆様の意識がひとつになったことで達成できたもの」とし、「市民の皆さまの税に対する深いご理解とご協力のたまものであり、八王子市の財政の健全性は市民力の高さによって支えられている」と感謝する。
3つの想い
高い納付率はどのように生まれたのか。納税に関する相談対応などを担当している市財務部収納課によれば「根本にあるのは市民との信頼関係の構築。職員は『(税の大切さを)伝える』『(滞納など納税に不安を抱える人に)寄り添う』『(税に対する期待と信頼を)裏切らない』の3つの想いを持って、市民に向き合ってきた」と説明する。近年の業務デジタル化もプラスに働き、電子データの活用などにより内部事務を効率化したことで未納者への個別訪問や電話による納付案内、生活状況に応じた丁寧な相談対応などに、より多くの時間を充てることが可能になったという。
同課では今年度も職員が手製のポスターや紙芝居、動画などを制作して、地道に税の大切さの周知に取り組んでいる。初宿和夫市長は「市民の皆様の力強い支えに心から感謝申し上げます。(多摩26市で納付率1位となったが)次年度も1位を目指すということではなく、職員が日々、真摯に業務に取り組んでいくことで結果が付いてくるものと考えている」と述べた。