美しい観賞魚<ベタ>を初めて飼育するために必要な道具9選 アクアショップでおすすめを聞いてみた
ベタは、タイに分布する Betta splendens を品種改良した観賞魚です。空気呼吸ができることから、“ビンでも飼育できる魚”としても知られています。
ベタを家に迎える時に用意したい、基本の飼育グッズをアクアショップの店員さんにアドバイスをもらいながら選んでみました。
観賞魚ベタを迎える前に知っておきたいこと
ベタは、鮮やかなヒレと大きく揺れるヒレが美しい魚ですが、「闘魚」と呼ばれるほど気性が荒いのが特徴。基本的には単独で飼育しますが、ベタを複数飼育するときはそれぞれ水槽を用意しなければならない点に注意が必要です。
また、ベタの平均寿命は約2~3年といわれていますが、飼育環境によっては前後することもあります。
筆者が初めて飼育したベタは長生きで、4年ほど一緒に過ごせました。年をとっても体長はあまり変わりませんが、体色やヒレの大きさは変化すると知っておきましょう。
アクアショップの店員さんに聞いた<ベタ飼育の基本グッズ>9つ
筆者が初めてベタを飼ったときは、「ベタ用」と書かれているグッズを手探りで購入して失敗しました。
「2代目ベタにはもっと快適に過ごしてほしい」と考え、アクアショップの店員さんに相談しながら飼育グッズを吟味。実際に買った商品を、選んだポイントも交えながら紹介します。
1. 水槽
ベタだけでなく、魚を飼育するときに必須なのが水槽です。
魚の飼育水槽はかなりの数がありますが、筆者は水容量約3.5リットルの小型水槽を用意しました。
初めてお迎えしたベタは、さらに小さい水容量約1.3リットルの超小型水槽で飼育していましたが、初心者にとっては水換え頻度が高く、おすすめできません。
2. ピペット(スポイト)
ベタのフンを掃除するときや、エサの赤虫をあげるときに重宝するのがピペット(スポイト)。
初めてベタを飼育したときは持ち手が短いスポイトを購入しましたが、フンを取るときに水に手が浸かってしまって失敗した記憶があります。
今回は持ち手が長く、メモリがついていて薬浴時にも役立ちそうな10ccのものを購入しました。
3. カルキ抜き
カルキ抜きも必要です。
筆者はカルキ抜きだけでなく、粘膜保護が期待できる成分が入っているものを購入。生体を迎えたアクアショップでも使用しているらしく、安心して使用できました。
ベタが慣れた用品を使うのも初心者にはおすすめです。
4. 水槽用冷却ファン
水槽用冷却ファンは夏場の水温管理に必要。
ずっとエアコンをつけた部屋に水槽を置く場合でも、小型水槽と室内とでは温度に差が出てしまうことがあります。
気化熱でしっかり温度を下げられる水槽用冷却ファンは、ひとつ持っておくと便利です。筆者は水槽の大きさに合うサイズのものにしました。
5. 水槽用ヒーター
水槽用冷却ファンと同様、水温管理に必要なのが水槽用ヒーター。熱帯魚であるベタは水温が下がると動きが鈍くなるのでヒーターが必要です。
初代ベタのときは超小型水槽だったため、パネルヒーターを購入しましたが、店員さん曰く「初心者が水温管理しやすいのは、水槽内に入れるタイプ」とのこと。
6. 温度計
魚を飼育するときに気をつけたいのが温度管理。ベタにおいても同様です。
温度計は、小型水槽でも邪魔にならないサイズを選びましょう。
7. 水槽網
水換えのときに使う水槽網には、網目がなく、水ごとベタをすくえるを選択。
初代ベタのときは網の目があるものですくって、ヒレを傷つけてしまったことがありました。初めて魚を飼育する場合は、特に魚をすくうことに慣れていないので、傷つきにくい工夫が施されたものを選ぶのが良いでしょう。
8. 塩
ミネラルとビタミンが入っているタブレット型のものは、魚の健康維持に効果が望めます。
9. フード
当然必要なのがフード(餌)。ベタが食べやすいサイズのフードを選びましょう。
こちらもアクアショップの店員さんにおすすめされたもので、実際に店舗であげていたものです。ベタにも個性があるので、「安いフードを選んだら食べなかった」なんてこともあるのだとか。
筆者も、初代ベタを飼っていたとき、気まぐれにフードを変えて食いつきが悪くなった経験があります。
初心者が失敗しやすいポイントと注意点
ベタを初めて飼育する際、「ビンでも飼える」「空気呼吸ができる」といった情報などによって、小さなビンや超小型水槽で飼育してしまいがちです。
筆者も初代ベタは超小型水槽で飼育していましたが、やはり水換えの頻度や水温管理が難しく苦労しました。水質が変わりやすいからか、最初は何度も病気になってしまったのです。
水槽用冷却ファンや水槽用ヒーター、水草などを入れることも考慮して、初めから大きめの水槽を購入しておく方が良いでしょう。
エアーフィルターは店員さんからのアドバイスもあり、あえて購入しませんでした。それは、迎えたベタがヒレが大きく水流に弱い「ハーフムーン」だったためです。もしエアーフィルターをつけたい場合は水槽をより大きいものにするか、流水量を調整できる商品を選びましょう。
飼育環境は飼うベタにあったものを
ベタを飼育するときには、必ず必要になる飼育グッズがあります。フードや塩、カルキ抜きなどを購入するときは、販売店で使用していたものを聞いておくのが安心ですよ。
健康に長生きしてもらうために、飼育するベタにあった用品をそろえてくださいね。
(サカナトライター:井村詩織)