「幸福度が低い人」に共通する“3つの思考のクセ”
日常の中でふと、「もしかして自分は幸せじゃないのかも……」と感じることはありませんか? その原因のひとつとして、自分が気づいていない思考のクセが影響している可能性も。幸福度が低い人には、共通する思考パターンがあるそうです。心理学や脳科学に詳しいマインドトレーナー田中よしこさんに「3つの特徴」を教えていただきました。
教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)より新刊発売。
幸福度が低い人に共通する思考のクセ「3つの特徴」
「幸福度が低い」と感じる人は、決して運が悪いわけでも、自分自身が悪いわけでもありません。ただ、“何にフォーカスしているのか”という思考のクセが影響しているだけなのです。
今回は、幸福度が低い人に共通する思考パターンの「3つの特徴」をご紹介します。一度、自分の思考のクセを見直してみることで、今よりもさらに幸福度を高めるヒントが見つかるはずです。
1.他人の幸せが気になりすぎる「比較グセ」がある
・SNSで友人が旅行や高級レストランの写真を投稿しているのを見て、「自分は何も成し遂げられていない気がする」「私はこんな生活できない 」と落ち込んでしまう。
・職場で同期が昇進したときに「なぜ私じゃないの?」と焦ってしまう。
このように、自分より「上」と感じる人たちとばかり比べてしまう思考パターンは、幸福度を下げてしまう原因です。これは、もったいない毎日の過ごし方だと言えます。
誰かの成功を自分の敗北と捉えてしまうと、他人の幸せが自分の不幸として認識されてしまいます。しかし、実際には自分が幸せかどうかは、他人の不幸や幸せとは関係ありません。まずは、平常心を保つために自分の思考を整えていきましょう。「今、自分が気持ちを整えるために何ができるだろう?」とこまめに考える習慣をつけることで、より前向きな毎日を送れるようになります。
2.「嫌なこと」ばかり思い出している
・過去に人間関係で傷ついた経験があり、新しい出会いを避けてしまう。
・仕事でのミスを何年経っても引きずり、「どうせまた失敗してしまう」と思ってしまう。
・良いことがあっても、「でも過去にこんな嫌なことがあった」と思い出してしまう。
このように、「また同じ失敗をするかも 」「人から嫌な対応をされた」などの思いが頭をよぎることはありませんか? 嫌なことばかりをリピート再生している思考グセに、心あたりがある人もいるかもしれません。
実は、こうしたネガティブな考え方は、脳の習性によるもので、誰にでも起こり得ます。それは、私たちの脳は危険を回避するために、嫌な記憶を重要な情報として優先的に覚える傾向があるためです。しかし、リピート再生を無意識に続けてしまうと、過去の嫌な経験が「未来も同じようになる」と錯覚させてしまいます。
人生は、決してすべてが失敗だらけではありません。誰しも成功体験やできたことがたくさんあるはずです。あなたが嬉しかったと思うことやうまくいったこと、これから挑戦したいことを振り返り、自分の中から丁寧にいろいろな情報を探し出してみましょう。
3.「100点じゃなければ意味がない」と考える完璧主義
・何かを始めたのに、1日サボっただけで「もういいや」と投げ出してしまう。
・ミスをすると、「全部ダメだ」「いつもダメだ」と自己否定してしまう。
・人間関係で少しでも違和感があると、「この人とはもう無理」と極端な判断をしてしまう。
このような思考パターンを持つ人は、完璧主義に当てはまります。完璧主義の人は“ゼロヒャク思考”と呼ばれる極端な思考を持ち、「完璧でなければ意味がない」と感じる傾向があります。そのため、中途半端な幸せに満足できず、自分にを認めることができないまま、常に自分に負荷をかけ続けてしまいます。その結果、心身にストレスが溜まり、幸福度を上げにくくなってしまうのです。
さらに、「成功するなら完璧に、失敗するなら徹底的に」「幸福は一時的ではなく、ずっと続くべきもの」といった思い込みにとらわれてしまうことも。「当たり前の幸福」や「ちょっとした成功」では満足できず、他人よりも「特別に上でいたい」と考える生き方をしがちです。これでは、幸せを感じるチャンスを逃し続けてしまいます。
価値観に左右されず、穏やかに生きるために
人生は、死ぬまで続く長い旅であり、長い目で見る必要があります。特に現代では価値観が日々変わるため、何が成功で何が良いことかも、今と未来では異なる可能性もあります。そのため、自分や他人をジャッジする必要はないのです。それよりも、「毎日を丁寧に穏やかに過ごすために何ができるか」ということに意識を向けてみませんか?
shukana/webライター