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この「かりんとう」ただ者じゃない!90年続く『金岡製菓』の知られざる姫路銘菓 姫路市

Kiss

創業から90年以上。変わらぬ製法で「かりんとう」を作り続けている老舗が、姫路城ほど近くの静かな住宅街の一角にひっそりと佇んでいます。その名は『金岡製菓』(姫路市)。

取り扱う商品は、「かりんとう」のみ。1929年(昭和4年)の創業以来、現在も創業当時の製法を守りながら、丁寧に作り続けられています。

変わらないレトロなパッケージ

当初は卸売のみで小売はしていませんでしたが、直営店で少しずつ販売を始めると、口コミで評判が広がり、「どこで買えるの?」という問い合わせも増えてきました。

地元の方にとっては「おじいちゃんが食べていた」といった懐かしい思い出があり、かりんとうと言えばここ、と足を運ぶ方も多いそうです。

今回は人気のかりんとうの製造工程を特別に見学させていただきました。

工場の中は大きな機械音もなく、昔ながらの道具を使いながら静かに手作業が続いています。

メモリもなく、一定のリズムでカットする職人技

運営は家族だけの少人数体制で、限られたスペースの中、それぞれが役割を分担して力を合わせます。

作り置きや冷凍はせず、その日の出荷分は早朝から一つひとつ丁寧に仕上げています。

当時から変わらない手作業での捻り

金岡さんによると、季節や気温に合わせて生地の配合やカットの具合、成形時の捻り加減を細かく調整しているとのこと。

また、揚げる工程では、微妙な揚げ具合を人の目と手で判断し、ムラなく仕上げているそうです。

約3倍ほど膨らみます

同店のかりんとうの特徴は、黒糖本来の豊かな風味がしっかり感じられることです。揚げたあとは余分な油を丁寧に落とし、黒糖蜜を均一にからませます。

黒糖は創業当初から沖縄・波照間産を使用。「他の黒糖も食べてみたけれど、やっぱり波照間の味しか考えられない」と金岡さんは話します。

ひと目でわかる、この存在感。通常のかりんとうよりも大きく、太く、見た目のインパクトは抜群です。

人気の2色ねじのセット

でも一口かじれば、その印象は一変。黒糖の自然な甘さがふわっと広がり、サクッと軽い食感に思わず驚かされます。

食べ応えはあるのに、くどさはなく、「かりんとうって、こんなに上品だったっけ?」と思わずにはいられません。

真ん中のドアが入り口

直営店で購入したい場合は、金岡さん宅の玄関を開けて入るというスタイル。

「ここで合ってるのかな?」と戸惑う方も多いそうですが、思い切って一歩踏み出せば、そこで出会えるのは、絶品かりんとう!

包装紙は姫路の版画家・岩田健三郎さん

そのほか、山陽百貨店やインターネットでも購入可能。ただし、箱入りは工場直営店のみ、のし・包装は予約のみ取り扱いとなります。確実に手に入れたい方は、事前に電話での確認を。

「2色ねじ」左:25本入り、右:16本入り 価格は店頭にて確認してください。

時代の流れに翻弄され、一度は店をたたむことも考えたという。しかし、支えてくれるお客さんや地域の人たちの声に背中を押され、今日まで店を続けてきました。

派手さはなくても、変わらない味やまっすぐな姿勢が、根強く愛され続ける理由なのかもしれません。その素朴な温かさや丁寧なものづくりには、思わず誰かに勧めたくなる魅力があります。


場所
金岡製菓
(姫路市博労町88)

営業時間
9:00〜17:00

定休日
日曜日

駐車場
なし

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