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“勝手丼” 発祥の地「釧路和商市場」でつくるオリジナル海鮮丼が旨すぎる! 鮮魚への視線が一変した日

ロケットニュース24

白米を購入し、市場や鮮魚店で好きな具材を選んでつくるオリジナル海鮮丼。青森の「のっけ丼」、塩釜の「マイ海鮮丼」など、今日も全国で工夫を凝らした “市場メシ” が楽しまれている。

「好き勝手に具材を選ぶ」ことから「勝手丼」で広く意味が通じる同スタイルだが、これが釧路発の言葉であることはご存じだろうか。

食べ歩きのように各店を巡る楽しさや、自分でネタを選ぶ高揚感がたまらない、どんぶりエンターテインメント。勝手丼の生まれた地「釧路和商(わしょう)市場」に行ってきた!

・勝手丼発祥の地「釧路和商市場」

JR釧路駅から徒歩5分、交通至便な場所に「釧路和商市場」はある。

とはいえ、釧路自体が札幌から車で約4時間。旅行者が訪れるにはなかなか大変な地ではある。4時間も走れば、ほとんどの都府県で隣県や隣々県に行ける距離であることを考えると、北海道のスケールはやはりケタ違いだ。

市場内に並ぶ店舗のうち、勝手丼を扱うのは決まったお店。あらかじめ公式サイトでマップを確認しておくのがおすすめ。

2024年秋現在、ごはん販売が2店舗、海鮮ネタ販売が3店舗だ。3店舗限定じゃ、それほどネタを選べないのでは……と思いきや、そんな心配はまったく無用。

まずはサイズ別に販売されている白米を購入(参考価格:大内商店120円~350円)する。希望により味噌汁を購入してもよし! 

筆者の訪問時にはカニ汁(同180円)があった。海鮮だけでなく煮豆やポテトサラダやカツなど、ひとくち惣菜の販売もあり。

次に海鮮ネタを購入する店舗を決める。もちろん複数店舗をハシゴしてもいいが、拠点を決めるほうが落ち着いて選べると思う。あとはビュッフェのようにセルフサービスで選択していく。

ここまで来たのだから「地のもの」が食べたいなぁと思っていたら、どの店もシールを貼ったり店員さんが教えてくれたりして釧路産の魚が判別できるようになっていた。

一例として本マグロのほか、サーモン、トキシラズ、筋子、タコ、タンタカ(マツカワのこと)、メンメ(キチジのこと)、イワシ、ホッキ貝、八角など、かなりの種類がある。仮に「釧路しばり」をして選んでも、相当なバラエティになる!

価格は1切れ税抜100円から300円くらいで、一部に大トロ500円などの高級食材もあり。

選び方によっては簡単に2000円、3000円に到達してしまうから、モーニングやランチとしては決して安くない。けれど、その価値はあることを筆者は後に思い知らされる。ここは本能のおもむくまま好きなものをチョイスするのが正解!

選び終わったらお会計をして、中央パティオなど各所にあるイートインスペースに着席する。醤油やワサビは購入店でいただける。

あとは自分で好きなように盛り付けよう。しかし、飲食店のメニューのように美しく盛り付けるのは案外難しい……!

ナンダコレ

以前から薄々気づいてはいたが、自分の盛り付けセンスが壊滅的である事実が、ここでも露呈した。

見映えがするよう具材を足したり引いたり立体的にしたりして、これでどうだ!! 小盛ごはんに9種の具材で税込2000円弱。

品揃えの豊富さにテンパったことに加え、魚に詳しくないこともあって、自分でも何を選んだのか半ばわからなくなっていたのだが、ワインレッドの切り身に注目! これは初めて食べるクジラだ。

魚よりも歯ごたえがありながら、不快なスジっぽさはまったくない適度な弾力。さっぱりしているのにコクがあり、ものすごく美味しかった。魚介というより、むしろ肉に近い余韻。クジラがこんなに美味しいものだとは知らなかった。

また、高級魚とされるオレンジ色のトキシラズは、普通のサーモン100円に対して3倍の300円。けれど、臭みやしつこさのない、ほどよい脂が美味しい!

筆者、魚介にはかなりうるさい。「食通」という意味ではなく、基本的に生ものが苦手で、少しでも生臭かったり脂っぽかったりするとご遠慮申し上げたいためだ。

しかし釧路和商市場で食べた鮮魚は、どれも「おかわりお願いします!」と言いたくなるほどクセがなく美味しかった。ずっと自分はウニが苦手だと信じてきたのだが、実は「加工に使われるミョウバンが苦手」だったと知ったときの衝撃に似ている。

品質がよく新鮮なものは、それだけでごちそう。遠出してでも現地を訪ねる価値がある!

・期待を裏切らない「釧路市民の台所」

観光客が大挙するような有名市場では、人気の反面あまりに観光地化しすぎていて「期待ほどじゃなかった……」と思うこともある市場メシ。本当に美味しいものはここ、釧路にある!

好き嫌いのある筆者でも衝撃の体験だったので、もとから海鮮好きなら必見スポット。「旅先だから調理できない」「魚をさばけない」「ひとり暮らしだから大量にはいらない」などの理由で普段は市場を避けている旅人にもおすすめ。

戦後に露店から始まったという釧路市民の台所、釧路和商市場。筆者の「死ぬまでにもう一度行きたい場所」筆頭にリストアップされている。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 釧路和商市場
住所 北海道釧路市黒金町13丁目25
時間 8:00~17:00
休日 日曜日

執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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