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【倉敷市】【11/23(土)開催】コスプレイベント「1000人の金田一耕助」 〜 探偵たちが集う日。真備町で体験する横溝正史の世界

倉敷とことこ

【11/23(土)開催】コスプレイベント「1000人の金田一耕助」 〜 探偵たちが集う日。真備町で体験する横溝正史の世界

日本三大名探偵を知っていますか?
以下の3人といわれています。

明智小五郎(あけち こごろう):作者 江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)
神津恭介(かみづ きょうすけ):作者 高木彬光(たかぎ あきみつ)
金田一耕助(きんだいち こうすけ):作者 横溝正史(よこみぞ せいし)

いずれの作品も「昭和」を代表する推理小説で、今でも多くのファンを魅了しています。「岡山県」を舞台にした作品が多いのが、横溝正史が生み出した「金田一耕助シリーズ」です。

主人公「金田一耕助」をはじめ、「犬神家の一族」に登場する「犬神佐清(いぬがみ すけきよ)」や「八つ墓村」の「多治見要蔵(たじみ ようぞう)」、名物警部の「磯川警部」などの他にも個性の強いキャラクターが多いのも特徴です。

そのようなキャラクターたちに扮した毎年恒例のコスプレイベント、「1000人の金田一耕助」が2024年も開催されます。

「1000人の金田一耕助」の魅力を取材してきました。

「1000人の金田一耕助」の概要

「1000人の金田一耕助」は2024年11月23日(土)に、倉敷市真備町で開催されるコスプレイベントです。

参加者はJR清音駅に集合して、真備ふるさと歴史館まで約5kmの道のりを歩きます。
会場である倉敷市真備町岡田は、原作者「横溝正史」が1945年〜1948年まで疎開した場所で、金田一耕助シリーズの第1作「本陣殺人事件」の舞台になった場所です。

イベントの概要と、申込み方法は以下のとおりです。

集合場所の清音駅東交流広場には更衣室が用意されていて、着替えられます。また、集合場所には駐車場がありませんので、イベント会場へは公共交通機関を使って参加してください。

「1000人の金田一耕助」の魅力とは?

2023年のイベント風景(画像提供:倉敷市観光課)

主人公「金田一耕助」は着物に袴、下駄を履いてくたびれたハットをかぶり、大きな革製のアタッシュケースを手にしている姿が特徴的で、募集パンフレットのイラストにも描かれています。

なお、横溝正史自身の希望で映画版の金田一耕助役に起用された渥美清(あつみ きよし)さんは「ジャケットに麦わら帽」、中尾彬(なかお あきら)さんは帽子をかぶらず、格好もデニムのベストでネックレスをしていて、いずれも独特な格好で登場します。

この独特な格好がコスプレイベントを盛り上げる要因になっていますが、さらに面白いのは作品に登場するキャラクターたちでしょう。

例えば「本陣殺人事件」では「3本指の男」が有名なキャラクターです。
当日は金田一耕助をはじめとする、個性的な登場人物に扮したコスプレイヤーたち150人が集結します。そして、原作者の疎開地でもあり作品の舞台となった真備町を歩きます。

道中では地元、真備町のかたがたが小説の一場面を再現してくれるそうです。

これは参加しなくても、見てみたい気にさせるイベントですよね。

再現した小説の一場面(2023年)(右側が「3本指の男」) 画像提供:倉敷市観光課

「1000人の金田一耕助」で訪れる場所

清音駅

集合場所は清音駅東交流広場
作品の「本陣殺人事件」の舞台となった場所で、本作中では「清一駅」と書かれています。

他にも本作中には「川一村」や「岡一村」「高一川」などいずれも「川辺村」「岡田村」(現・倉敷市)、「高梁川」といずれも実在する地名です。

一部のドラマや映画によっては地名が変わっているものもありますが、物語の舞台は横溝正史の疎開宅に近い屋敷がモデルになっています。

横溝正史疎開宅

この「本陣殺人事件」が「金田一耕助シリーズ」第1作となりますので、まさに「1000人の金田一耕助」のイベント会場にはふさわしい場所といえるでしょう。

イベントは清音駅をスタートして約5km歩き、真備ふるさと歴史館で解散となります。

真備ふるさと歴史館

「1000人の金田一耕助」の企画詳細

「巡・金田一耕助の小径」の目玉企画のひとつになっている「1000人の金田一耕助」について、倉敷市観光課の安原訓子(やすはら のりこ)さんと三宅敬弘(みやけ たかひろ)さんにお話を聞きました。

左:三宅敬弘さん、右:安原訓子さん

──コスプレイベント「1000人の金田一耕助」のタイトルの由来を教えてください。

安原(敬称略)──

イベント開催の日に1000人集まるのではなく、「多くのかたにご参加いただきたい」といった意味でこのタイトルにしています。

募集は150名で、前年(2023年)も約150名にご参加いただきました。

──コスプレイベントが始まったのはいつから?

安原──

平成21年(2009年)から始まりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響があった令和2年(2020年)、令和3年(2021年)は中止になりました。今回(2024年)で第14回になります。

──やはりコスプレは「金田一耕助」が多いのですか?

三宅(敬称略)──

2023年は「金田一耕助」のコスプレは150名中63名でしたので、半分以上は別のキャラクターです。次に多かったのは八つ墓村に登場する「犬神佐清」でしたが、マニアックなキャラクターのかたも大勢います。

安原──

普通のジャケット姿で、シリーズにはひんぱんに登場する「磯川警部」やレトロな感じのワンピースを着て「犬神家の一族」に登場する「野々宮珠代」に扮するかたもいます。

なので、特別な衣装を用意しなくても気軽にご参加いただけるのではないでしょうか。

──参加特典などあれば教えてください。

三宅──

参加者全員に記念品を差し上げています。2024年はキャンドルとポスター(A2版)の予定です。

基本的には地場(倉敷市)でつくられているもので、参考までに2023年は畳縁(たたみべり)でつくられた小物入れでした。

1000人の金田一耕助 2023年記念品

──ということは、やはり県外からの参加が多いのでしょうか?

2023年のイベントのようす (画像提供:倉敷市観光課)

安原──

2023年は倉敷市内が16名、岡山県内(倉敷市以外)で25名、県外は109名で北海道や熊本県のかたもご参加いただきました。

また、遠方でご参加いただけなくても、並行しておこなっているイベント「1000問の金田一耕助」(在宅受験)に参加して「次回はぜひコスプレイベントに」といったかたも多いです。

──イベント当日はコスプレ以外にも企画はあるのでしょうか?

三宅──

見どころのひとつが、地元真備町のかたにご協力いただき作品を再現した寸劇です。またオプションイベントにはなりますが同日開催で「意見交換会」があります。

コスプレイベント終了後、真備公民館岡田分館(コスプレイベント解散場所から徒歩約10分)で、横溝正史作品や金田一耕助ファンの参加者同士の交流会をお楽しみいただけます。
事前にホームページから電子申請で申し込みください。

おわりに

横溝正史の作品は、2024年現在でも映像がリメイクされて不動の人気を保っています。

金田一耕助役は「渥美清」「中尾彬」「石坂浩二(いしざか こうじ)」「西田敏行(にしだ としゆき)」「古谷一行(ふるや いっこう)」「鹿賀丈史(かが たけし)」、最近では「豊川悦司(とよかわ えつし)」「吉岡秀隆(よしおか ひでたか)」「加藤シゲアキ(かとう しげあき)」など少し名前をあげるだけで次々と出てきます。

「金田一耕助」は、それだけ色褪せない魅力があるということでしょう

また、時代設定が昭和初期にもかかわらず、これだけリメイクされているのはストーリーや主人公だけではなく、脇を固めるキャラクターに特徴があるのも魅力なのかもしれません。

まだ作品を読んでいない・観ていないかたは、この機会にぜひ読んで・観てください。

作者横溝正史ゆかり地であり、金田一耕助初登場「本陣殺人事件」の舞台になった倉敷市真備町でミステリーな秋を体感してみませんか。

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