【落差えぐぅ】「中国最大のスタバが見える小さいスタバ」の治安がヤバすぎた!!!
「中国で最も大きく、かつ美しいスタバ」として知られる『上海 スターバックス リザーブ ロースタリー』。円形吹き抜け2階建ての荘厳なつくりは上海人の誇りであり、上海を訪れた観光客のほとんどがここを訪れる、と思う。たぶん。
そんな上海 スターバックス リザーブ ロースタリーであるが、ほんの100メートルほどの距離に “上海 スターバックス リザーブ ロースタリーが見えるスタバ” があることは、おそらくあまり知られていないのではないか。
中国最大のスタバを眺めながら小さなスタバで飲むフラペチーノは、果たしてどんな味がするのだろう? やってみた!
・魔都のスタバ
上海 スターバックス リザーブ ロースタリーのシンボルは建物中央にある、筒状の超デカいヤツ。
たぶんコーヒーを焙煎とかする系のメカだと思うが、コーヒーが飲めない私にはよく分からない。とにかく壮大で絵になるのでずっと眺めていられる。
私は過去に10回くらいここを訪れているが、座れないほど混雑している現場には遭遇したことがない。敷地が広くて座席数も多いので、いつも多くの客で賑わっているにも関わらず、のんびりリッチな気分で過ごせるのが魅力だ。
通常メニューのほかにアルコール、焼きたてのパン、見たこともないフードを味わうこともできる。……なんだか宣伝記事みたいな文章になってしまったが、とにかくここはオススメ。見学だけでもしてみるヨロシ。
また物販コーナーも大変充実している。「魔都(※ 上海の愛称)」と書かれたボトルはあまりにイカしており、この私がうっかり購入してしまったほどだ。映える写真もいっぱい撮れるぞ! オススメ!
……さて。ここからは話半分で聞いていただきたいのだが、約5年前にここを訪れたとき、私は上海 スターバックス リザーブ ロースタリーの窓から、向かいにひっそり佇む “普通のスタバ” を目撃した。「スタバの対面にスタバがあるってオモロいな」と思ったのを昨日のことのように覚えている。
ところが今回、2階の窓からどんなに目をこらしても、そのスタバを見つけることができなかったのだった。あの店は潰れてしまったのか、それとも夢だったのか……? 思い当たる方はご一報ください。
・一体どんな層?
巨大スタバ対面の小さいスタバを楽しみにしていた私は、若干ションボリしながら帰路についた。中国最大のスタバを前に、あえて小さいスタバを利用するのは一体どんな層なのか……コロナ期間中、ずっとそれを確かめたいと思っていたのである。
すると……
1分くらい歩いたとこにスタバが!!!
『スターバックス 上海静安四季坊店』は、上海 スターバックス リザーブ ロースタリーから100メートルくらいの距離にあり、アングルによっては2つの店舗を同時に視界にとらえることが可能。
ほんのちょっと歩けば最高に映えるスタバがあるにも関わらず、小さなスタバは割と繁盛している様子である。一体どんな層が利用しているというのか!?
さっそく入店したスターバックス 上海静安四季坊店。あくまで想像だが、どことなく「疲れちゃったな〜」みたいな雰囲気のメンツが揃っているように思われた。
物販スペースだけでこの店の何倍もあるスタバがほんの1ブロック先にあるというのに、あえてここでタンブラーを購入するのは一体どんな層なのか……。
とはいえテラス席は結構いい感じのムードである。普段はあまり注文しないフラペチーノでも飲んで、のんびり人間観察とシャレこもう!
テーブル汚ねぇ……。
・私は上海でカオスを見た
私が注文したのは、このとき中国で新作メニューだった『ベルギーチョコレートフラペチーノ』(大41元 / 約878円)。
ホイップからトッピングまで全てがチョコチョコしくておいしい。
とかやってたら静かに相席してきたおじさんが、カッコよくタバコをふかし始めた。後方の青年はそのへんで買ったとおぼしき焼き鳥をほおばっている。
一応お伝えしておくと、ここ中国には「持ち込み禁止」という概念がほぼ存在しておらず、それはスタバも例外ではない。もし日本で中国人旅行者がうっかり持ち込みしているのを目撃した場合、先方に悪気は一切ないので、優しく「禁止だよ」と教えてあげてくれ。
……と! ややあって、2人組の青年が相席おじさんに話しかけてきた。中国語不得意のため詳細は不明だが、どうやら「ちょっとお時間頂戴してよろしいですか?」というようなことを言っているらしい。「いいよ」とスマートに答えるおじさん。
ワン「ワンでーす!」
チョウ「チョウでーす!」
2人「2人合わせてワン&チョウです!!」
ワン「うわァ〜! メガネが曇って前が見えないよォ〜!」
チョウ「そんな時はコレ! 『激・メガネウォッシャー』さ!」
ワン「何だいそれは!?」
チョウ「 “案ずるより産むが易し” ってね……さぁ、メガネを貸して!」
激・メガネウォッシャー「ブィーン…………」
ワン「す、すげぇ!!! 視界がクリアすぎて北京が見えるぞ!!!!」
2人「はいジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャ~ン♪」
なんと青年2人は “コメディアンふう移動販売コンビ” だった。コントの内容はほとんど推測だが、大筋は間違っていないと思う。2人はこのコントをのべ5分も繰り広げ、その間おじさんは「フム……」とコントを眺めていた。
コントが終了すると、おじさんは一言「いらないよ」と言ってまたタバコをふかし始めた。ワン&チョウ(仮名)はしつこく食い下がるでもなく、今度はこちらへ来たのだが、私が「中国語分からない」と告げると、大きく「チッ」と舌打ちをした。
日本じゃ考えられない出来事である。
結論:中国最大のスタバを眺めながら小さなスタバでフラペチーノを飲むと「中国」を感じることができる
ちなみに上海 スターバックス リザーブ ロースタリーは夜だとさらに映える。何度も言うけどオススメなので上海へ来たら必ず立ち寄ってほしい。「行ったことある」という人はぜひスターバックス 上海静安四季坊店へ!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.