グランポレール・新チーフワインメーカーが就任! 引き継がれるものとは ~グランポレール新商品試飲体験会②
サッポロビールは2024年10月9日、グランポレールワインバートーキョー(中央区銀座)にて、「グランポレール新商品試飲体験会」を開催した。その中で、新チーフワインメーカーに多田淳氏が、シニアワインメーカーに工藤雅義氏が就任することが発表された。
この記事では、お二人の経歴や引き継がれるものについて紹介する。
新・チーフワインメーカー:多田淳氏
2008年にサッポロビールに入社。岡山ワイナリー製造部に異動した2013年から、ワインづくりに携わる。2017年にはフランスに留学し、ボルドー大学でワインづくりを学びながら格付けシャトーでの研修などを経て、2020年にDNO(フランス国家醸造士)を取得。帰国後はグランポレール勝沼ワイナリーにてワインメーカーを務め、2024年、チーフワインメーカーに就任した。
多田氏は、「ワインづくりは子育て」と表現する。「1つ1つのぶどうを子どもと考えると、それぞれみんな異なる個性を持っていて、それに合わせて育て方も異なります。大事なのは子育て同様、その子の個性、ぶどうの個性を最大限引き出してあげることだと思っています」とのこと。ご自身も2児の父という多田氏は、性格が異なる長男と次男、それぞれの個性を伸ばしたいと実感しているそうだ。
シニアワインメーカー:工藤雅義氏
1985年にサッポロワイン(現・サッポロビール)に入社し、岡山ワイナリーでワイン製造のキャリアをスタート。1991~1994年に、カリフォルニア大学デービス校でワイン醸造学を専攻し、フードサイエンスの修士号を取得している。2004年、勝沼ワイナリーに異動し、2005年にチーフワインメーカーに就任。2024年にシニアワインメーカーとなった。
受け継がれる想い
岡山ワイナリー時代に、工藤氏からワインづくりを教えてもらいながら、ワインづくりを1から学びたいと考えたという多田氏。チーフワインメーカーとしてその成長を見てきた工藤氏は、多田氏について次のように語った。
「2020年に日本に帰ってきて、勝沼ワイナリーで十分な実績も積んでいます。教育も受けたし、実績もちゃんと積んだということで、今回、多田さんがチーフワインメーカーに就任することになりました。『Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2024』で金賞を獲っている安曇野池田の『ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>』『北斗シャルドネ』は、多田さんがワイナリーで直接指揮してきたワインなので、実績については十分感じていただけるかなと思います」
ワイン伝統国で学んだ多田氏とワイン新興国で学んだ工藤氏だが、ワインづくりの想いには共通点が多いようだ。多田氏の「ワインづくりは子育て」という表現について、工藤氏は「私はぶどうがなりたいワインをつくると表現してきましたが、根幹の部分は同じかなと思っています」とした上で、「ワインメイキングの重要な部分は、きちんと継承していってくれると思っています」とコメントしている。
それぞれ学んだ国は違うが、「グランポレール」が今後目指していくのは、特定の国のワインではなく“日本ならではのワイン”。ヨーロッパ発祥の品種でも「日本でつくったらどんなワインになるのかを皆さんに提供して、そこに驚きがあったら、おいしいなと思っていただけたらいいなと思っている」と工藤氏は語る。海外の技術などの情報を応用することはあっても、あくまでも目指すのは“日本ならでは”のワインづくり。「グランポレール」らしさは、継承されていくのだと感じられた。
当日のメインイベントである、4本のワインの試飲体験会は、お二人のトークセッション形式で行われた。ワインの解説を含めたトークセッションの内容は、次回以降の記事で紹介していく。
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