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「プーチンに勝った主婦」に迫るノンフィクション

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、12月18日の放送に毎日新聞論説委員の小倉孝保が出演。前日に発売された新刊『プーチンに勝った主婦 マリーナ・リトビネンコの闘いの記録』について解説した。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「(小倉孝保・著『プーチンに勝った主婦 マリーナ・リトビネンコの闘いの記録』について)このノンフィクションの主役は表紙に写っています。日本でも2006年の事件当時、大きく報じられました。ロシアにより暗殺された可能性が高い、元KGB、のちのFSBのスパイという言い方をされました、リトビネンコ氏の妻マリーナさんです。彼女が夫の死の真相を突き止めるため、いかに戦ってきたか。マリーナさんと非常に親交が深い小倉さんがこの度、ノンフィクションとしてあらわした、という新刊です」

長野智子「まず、どうしてマリーナさんと小倉さん、距離が近かったのか、というお話から」

小倉孝保「けっこうみんなに言われます。おまえマリーナさんとなんであんなに親しくしていたの、なんて。僕がロンドンに赴任したのは2012年で、事件から6年経っているんですね。事件から5、6年、僕が赴任する直前ぐらいまでイギリスは捜査をかなりやっていて。ロシア人の2人がポロニウムという放射性物質を飲ませた、という確証を得て、身柄の引き渡しをしてくれ、とロシアと交渉していたんです」

長野「はい」

小倉「その間は情報が公になっていなかった。捜査の情報だから隠していた。マリーナさん自身も捜査の行方を見守るために、あまりオモテに出ていなかった。でも行き詰ってこれはどうしようもない、ということでマリーナさんが記者会見したり、世の中に訴え出たりしたタイミングで赴任していた」

鈴木「あ~!」

小倉「ある記者会見に行って、もっとジャーナリストがいるかなと思ったら、NGOの人が開いた記者会見で、出席者はNGOの10数人みたいな。ジャーナリストが少ないな、という感じで。終わったあとマリーナさんと話をしたら、『事件当時はジャーナリストがすごく来ていた。でも熱が冷めてしまって。事件が忘れ去られるんじゃないか。夫がなぜ殺されたのか、というのがわからない。どういう情報をロンドンの警視庁が持っているかも。だからなんとかしたい』というところに僕が赴任していった。タイミングがよかったというか」

長野「マリーナさん自身も、注目してくれた、東京から来た記者が、ということで心を許していった、ということですね」

小倉「なんで日本の記者がこの事件に、というのはあったかなと」

長野「信頼関係があるからこそ、これだけの取材ができたのだと思います。この本を読むと、私たち日本人が知らない、もっと恐ろしいプーチンの姿が見えてくる。リトビネンコさんという方が暗殺される背景の中で、どんどんプーチンさんが変わっていく。というかもともと恐ろしいんだけど。同時進行でG8やソチ五輪など、私たちが知っているところでトップリーダー同士が握手している。『この裏であんなことしていたんだ』と驚くことばかりです」

小倉「僕も取材しながら驚いたところです。オモテに出てくるニュースはまさに当時、ロシアは西側とうまくやろうとして接近していった。2007、2008年ごろからG7をG8に拡大してロシアを正式メンバーにする、という動きがあった。でもそのときマリーナさんのしていたことを調べると、海外でもじつはロシア人をたとえば拘束できる、などといった国内法をつくっていたとか、そういうことが後からわかってきた」

鈴木「はい」

小倉「もちろんそれに注目していた人たちは気づいていたわけです。気づいていた人にも取材をしました。どれだけこの人たちが叫んでプーチンの実像を知るべきだ、と言っても、日本を含め西側の首脳たちは聞く耳を持たずに、ロシアは自分たちと同じ価値観を持ってこれから世界の平和に向けて一緒にやっていける、と信じて疑っていなかった。でもよく調べるとこういうことが行われていたんだ、ということがわかりますね」

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