園での約束事がなかなか守れない子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
園での約束事がなかなか守れない
自分でやるべき身の回りのことや、クラスでの係や当番のお仕事など、園で決められた約束事をしっかり守ることができません。
例えば、こんな状況
Jちゃんは今日、お当番さん。ほかの子は食事の後にテーブルを拭いたりしていますが、Jちゃんは終わっていないのに遊びに行ってしまいました。
あなたならどうする?
1.ボードに取り組む順番を書き、一緒に確認する
2.「ちゃんとやりなさい」と目を見て真剣に伝える
【解説】おすすめは1!
「ちゃんと」「しっかり」「きちんと」といった言葉だけで指導しようとしても、目指すべき姿が抽象的すぎて、子どもにはこちらの意図が伝わらない可能性があります。何をどの順番でやるべきなのか、その子にとって分かりやすい表現を用いて説明することが、解決の糸口になりそうです。
考えられる背景
「遊びの方が楽しそうだし、後でいいかな」
多くの子どもにとって、「遊び」の優先度は「身の回りのこと」よりも高いもの。自分がやりたいことを優先しているのかもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
視覚情報も生かしながら優先順位を明確に
遊びたい気持ちに共感しつつ、やるべきことの順番を具体的に示しましょう。「1番目、ふきんを持ってくる。2番目、テーブルを拭く。……5番目、遊びに行く」といったイメージです。
言葉で伝えるだけでは難しいこともあるので、イラストや写真(場合によっては文字)など視覚情報を活用するのもおすすめ。子どもによって、理解しやすい方法が異なる点を意識しましょう。
考えられる背景
「やり方を忘れちゃったから、できないよ」
お当番の仕事の手順を忘れてしまったけれど、保育者に聞くことができず迷っている間に、興味がほかに移ってしまった可能性もあります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
自分から「教えて」と聞けるように練習を
分からないことがあるとき一人で抱え込まず、ほかの人に聞くことができる力は、小学校以降でも大切になります。「やり方を教えて」「どうやってやるの」という言葉を一緒に練習し、困ったとき言えるように伝えていきましょう。
子どもが分からないことを推測しつつ、即座に答えを教えるのではなく、「何か分からないことはあるかな?」と保育者から質問する姿勢も重要です。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・1番に〇〇、2番に△△をするよ
・〇〇は△△番目だね
・分からないときは「教えて」だよ
・遊びより〇〇が先だよ
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史