「ジビエ」食べるきっかけに 2月15日、吉田町で話題のフェス
中区の吉田町本通りで2月15日(土)、「横浜ジビエフェスタ」が開催される。狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味する「ジビエ」。同イベントは、その美味しさやニホンジカを管理捕獲している現状を知ってもらい、地域活用につなげることを目的に2022年からスタート。1年目から想定を大きく上回る人が訪れ、1時間で商品が完売したことも話題になった。
主催の吉田町名店街会の専務理事で、同イベント実行委員長を務める倉本淳哉さんは「来場者からも好評で、吉田町の認知度をあげるイベントに育ってきている」と話す。今年は春節に絡めたイベントや防災フェスタ、骨董品やレトロ雑貨などが並ぶ裏道マーケットも同時開催され、会場一帯を盛りあげる。
過去最多22店が参加
3回目となる今年は、吉田町のほか市内の飲食店を中心に、過去最多の22店舗が参加。屋台形式で、シカやイノシシ、クマなどを使ったメニューを提供。歩行者天国の屋外スペースで、アルコールやライブを楽しみながら味わえる。
参加店の一つで、ジビエを中心に扱うビストロ「Ami」=中区野毛町=では、当日シカ肉のハンバーガーやジビエスープなどを提供。同店のシェフで自身も狩猟をする佐久間貫(とおる)シェフは、ジビエの魅力を「力強い味わい」と語り、「ジビエの言葉は分かるが、食べたことがないという人が多い。味や提供しているお店を知ってもらうきっかけになれば」と期待する。また、これまで秋開催だったが、今年は11月中旬から2月中旬までの狩猟時期にあわせて実施。食材が豊富に揃い、特にジビエがおいしいシーズンだという。
情報発信の場に
国内ではシカやイノシシなどによる農作物の被害が深刻化し、農業離れや、植生劣化による土壌流出、森に住む生物の生存危機にもつながっている。神奈川県内の昨年度の農作物の鳥獣被害額は約1億5千万円。県では環境保全のため丹沢山地を中心に03年からシカの管理捕獲を行い年間約3千頭を捕獲しているが、食用としての流通は確立されていないという。
同イベントでは、こうした現状や猟師などの情報発信の場にも活用していく。同イベントに協力する(一社)里山共生会代表理事の達知剛志さんは、「ジビエや狩猟について若い人にも知ってほしい」と話している。
正午〜午後5時。雨天時は翌日に順延(防災フェスタとマーケットは雨天中止)。(問)【電話】045・261・1120。