Yahoo! JAPAN

横浜市とF・マリノス 若者にトイレ防災啓発 日産ス内に電子看板

タウンニュース

デジタルサイネージを紹介する(一社)F・マリノススポーツクラブ代表理事の金澤徹哉さん(同クラブ提供)

横浜市は災害時のトイレ問題解決に向け、横浜F・マリノスと連携し、トイレ防災の普及啓発を強化する。市下水道河川局は2月26日から、日産スタジアム内のデジタルサイネージでハマッコトイレやマンホールトイレ設置助成制度などの情報発信を開始した。これは、スポーツに関心の高い層への啓発を目的とした新たな取組み。

深刻な問題に休止符を

災害時、トイレ問題は深刻な問題となる。断水により水洗トイレが使えなくなるだけでなく、仮設トイレの不足も深刻化する。トイレ問題は、被災者の健康問題や公衆衛生の悪化、感染症の蔓延など、様々な問題を引き起こす可能性がある。また、トイレ不備による水分制限は、脱水や体力・免疫力低下などを招き、災害関連死につながる危険性もある。

横浜市が行ったアンケート調査によると、災害時の避難生活においてトイレ設備を心配する声が7割を超えていることが明らかになっている。

市下水道河川局ではこれまで、各地域で行う防災関連イベントへの出展や、小中学校への出前授業などを通じて、災害時下水直結式仮設トイレ(ハマッコトイレ)やマンホールトイレ設置助成制度、雨水貯留タンク設置助成制度などの普及啓発を行ってきた。今回、新たな取組みとして、スポーツに関心の高い幅広い年齢層への普及啓発を目的とした、横浜F・マリノスとの連携をスタート。その第一弾として、2月26日から日産スタジアム内のデジタルサイネージで、ハマッコトイレや、マンホールトイレ、雨水貯留タンクの設置助成制度についての情報発信を開始した。

「チームでの協力」

デジタルサイネージのデザインは、横浜F・マリノスのチームカラーであるトリコロールを基調とした目を引くものとなっている。また、「トイレ防災にキックオフ」というキャッチコピーにもサッカー要素を取り入れることで、より多くの人たちにトイレ防災に関心を持ってもらえるよう工夫されている。同局管路保全課の石井智博課長は、「(自助・共助という観点から)どちらもチームでの協力が不可欠という共通点がある。ぜひ、日産スタジアムでのF・マリノス戦の観戦の際に実際のサイネージを見ていただき、トイレ防災に関心を持っていただければ」と話している。

これまでの取組み

ハマッコトイレは、地域防災拠点などに整備されており、2023年度末に472拠点に整備が完了した。今後は定期的な点検を行うとともに、防災関連イベントへの出展や小中学校への出前授業などを通して、幅広い世代への普及啓発に力を入れていく方針だという。

マンホールトイレ設置助成制度は、20年度から本格的な運用を開始し、24年度末までに合計109件に助成を行った。同年度からは助成対象者と助成基数を拡充しており、地域で支える防災まちづくりを推進していくとしている。

雨水貯留タンクは、11年度から運用を開始し、24年度末までに合計2547件に助成を行った。雨水を災害時の非常用水として利用できるだけでなく、庭の水やりなど平時にも利用でき、水道代の節約になるとの声も多いという。市では、ハマッコトイレ、マンホールトイレとともに普及啓発を継続していく方針で、「今後も市民の皆様と協力し、災害に強いまちづくりを進めていく」としている。

【関連記事】

おすすめの記事