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祝「SHOGUN 将軍」エミー賞快挙、必読インタビュー取材まとめ ─ 真田広之「日本のために成功させたい」願い叶う

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では、ドラマが最多18冠に輝き、作品賞を含む主要部門を総なめ。日本の時代劇がエミー賞で作品賞に讃えられるのは初めてのことで、主演男優賞の真田広之、主演女優賞のアンナ・サワイの受賞も、それぞれ日本人初となる歴史的な快挙だ。

で配信中のドラマ「SHOGUN 将軍」は、関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台とした壮大な歴史大作。真田広之がプロデューサーを務め、「正しい日本」を世界に伝えることを一つの使命とした、渾身の一作となった。

地上波テレビなどマスメディアで取り上げられる機会が少ないためか、「SHOGUN 将軍」は日本の時代劇でありつつも、むしろ海外での人気の方が大きい。登場する日本人キャストや日本文化に世界から熱視線が向けられているのだが、国内ではまだ未見だという方も多いだろう。

THE RIVERでは2024年2月の「SHOGUN 将軍」配信時より、本シリーズのキャストやプロデューサーへの取材を重ねてきた。エミー賞での快挙を祝して、これまでに真田広之、浅野忠信、 西岡徳馬、コズモ・ジャーヴィス、トミー・バストウ、穂志もえか、向里祐香、プロデューサーのジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウに行ったインタビュー内容を、一つにまとめてお届けする。

©︎ THE RIVER

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「SHOGUN 将軍」のオファーを受けた時、真田は“日本を正しく描くのか”という点にこだわり、「おかしなものを作るのなら、自分は日本人として参加できない」と毅然とした姿勢を貫いた。製作のFXから、真田の要望に全面的に応えると返答が得られ、「それなら」と真田は参加を決意した。

2003年の『ラスト サムライ』を機に、真田は活動拠点を海外に移した。海外の作品における日本描写の不正確さを是正したいと長年望んでいた真田は、本作でついにプロデューサーとしての肩書を得たことで、製作に深く携わることができた。日本から大勢のクルーを招致し、「妥協しない」との思いで、隅々までこだわり抜いた。西洋目線を持つ制作チームとは時に意見の対立もあったが、真田が矢面に立って交渉した。製作期間中の真田は週末返上で奔走していたことを、多くのキャストらが証言している。

劇中のほとんどが外国語である日本語で構成され、キャストやクルーの多くも日本人が占めた「SHOGUN 将軍」が世界的に大ヒットし、エミー賞の話題もさらうのは、日本としても世界としても非常に希少なこと。日本の実写作品も海外で活躍できること、世界はもっと高品質で多様な作品を求めていることを、力強く証明した。

真田はドラマの配信時、本作が「異文化を描くときのニューノーマルになって欲しい」と語っている。「今時、これくらいやらないと恥ずかしいよ、ということを、スタジオや作り手が考えてくれるキッカケになれば。5年後、10年後、より多くの日本の題材や俳優たちが海外に進出してく可能性が広がってほしい。そのためにも、本作を成功させたかったのです」。

プロデューサーのジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウは、本作で日本の戦国時代を映像化するにあたって、ハリウッドにおける日本描写のこれまでの「誤り」を認め、反省するところから始めたのだと語っている。キャラクターの言葉遣いや衣装、メイク、セットや小道具から、「切腹の意味するところ」など精神性に至るまでを「謙虚な思い」で徹底的に学び、考証を重ねた。その長い過程についてコンドウは、思い返すだけで「涙が溢れてくる」と話す。

ジョン・ブラックソーン/按針役 コズモ・ジャーヴィスは、劇中に登場する数少ない外国人のひとりで、言葉の壁に苦労する。演技する上では、あえて「言葉の壁」を味方につけ、日本語がわからない現場の中で奮闘したそうだ。撮影時には、日本文化を尊重するクルーたちの「プライドが常に現場に漂っていた」との実感を話す。「エンターテインメントのための近道なし、という感じですね」。

マーティン・アルビト司祭役トミー・バストウはもともと10年ほど日本語を学んでおり、黒澤映画など日本映画のファン。真田広之は『たそがれ清兵衛』を観て以来憧れの存在だったという。「このドラマがうまくいった理由は、全員がほとんど狂気に取り憑かれたような状態だったからだ」と、いかに製作陣が本作に心血を注いでいたかを話していた。

また、「ついに西洋の視聴者がこのドラマを見るんだということにすごくワクワクしています」とも語っている。「僕はファンとして、彼らの出演作や日本文化を追ってきましたが、西洋の視聴者は、おそらく今回初めて日本の役者による、このレベルの本気度を見ることになるからです」。

助演男優賞にノミネートされるも、浅野忠信(樫木藪重)は飄々としたキャラクターで特に人気を博した。独特の芝居について「まず自分の言葉に置き換える」「自分という観客に向かって演技する」との極意を語る浅野は、こうした演技プランは「賭け」であることから、ドラマについて「本当にヒットするんだろうか」と不安と恐怖に苛まれていたそう。配信されて世界的な大反響となったと知ると、「本当に救われた」と安心したそうだ。共演者とも「すごい反響だね!」と驚いていたという。

ハリウッド作品への出演も重ねている浅野は、「これを皮切りに、アメリカがもっともっと日本の作品を撮ってくれればと思います」との望みを語りながら、「今度は逆に、日本側ですよね。日本が受け入れ体制をきちんと作っていくべきだと思います」との課題意識も共有している。

魂の演技で世界中のファンの心を震わせた広松役の西岡德馬は、伝説的な神回とされる第8話について「あのシーンをやるために参加したようなもの」と振り返りながら、このドラマでは「日本の武士道を見せる」との心構えがあったことを話す。“神回”とされる第8話、屈指の名シーンでは、対面した真田広之は目に涙を浮かべていたというエピソードも明かしてくれた。

藤役の穂志もえかと菊役の向里祐香は国内で活躍する若手俳優。日本で生活していると、これまで「SHOGUN 将軍」が世界的なブームになっているにもかかわらず、あまり反響を感じることがなかったそうだ。真田は異例のシーズン更新に「次世代の日本人スタッフやキャストのために」との思いを込めている。エミー賞での快挙によって、国内での「SHOGUN 将軍」注目度もいよいよ高まってくるはず。すでに世界から注目を集めている日本人のキャストやクルーが、今後ますます活躍の舞台を広げると期待したい。

本年度エミー賞最多受賞の「SHOGUN 将軍」はディズニープラスで配信中。

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