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福岡で石田泰尚×加羽沢美濃のデュオコンサート開催ーー加羽沢がリクエストした「夢見る夢子ちゃん」な曲とは【オフィシャルインタビュー】

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加羽沢美濃

10 月30日(木)に福岡シンフォニーホールにて『ららら♪プレミアムコンサート Vol.1 石田泰尚 Violin × 加羽沢美濃 Piano』が開催される。

同公演は、NHK Eテレ『ららら♪クラシック』から生まれたコンサートシリーズより、“特別” をテーマにしたスピンオフイベントの第1弾。開催を前に、クラシックコンサートWEBマガジン『ららら♪クラブ』から、作曲家、ピアニストとして活躍し、同番組で司会を務めた加羽沢美濃へのロングインタビューが到着。石田泰尚とのデュオコンサート『ららら♪プレミアムコンサートVol.1』の部分を抜粋して紹介する。

ふだんは「絶対に」聴けないコンサートをお楽しみください!

―― 2025年10月30日(木)に福岡シンフォニーホールでおこなわれる『ららら♪プレミアムコンサート 石田泰尚 Violin × 加羽沢美濃 Piano』についてうかがっていきましょう。ご共演のヴァイオリニスト・石田泰尚さんとは以前からのお知り合いですか?

昨年もコンサートでご一緒しました。わたしの周年コンサートにも出ていただいています。石田さんは、わたしがNHKでラジオをやっていたころにゲストで出演していただいたのが最初の出会いで、もう25年近く前になります。そんなに前だったんだ!

――最初の印象はどうでしたか?

音のきれいな優しい方、です。紳士で優しくて、あのきれいな音のそのまんまの印象でした。でも年月が経つとともにだんだん尖るというか、怖い感じの見た目になって、それがもうおもしろすぎて(笑 )。公演を聴きに行っても「コンマスがそんなに股を広げて座っていいの!?」ってくらい、幅利かせて座るから、気になりすぎて集中できないですよ! だからなにかのときに聞いてやろうと思っていたら、タイミング良く石田さんのコンサートで司会をするお仕事がありまして。「足の話なんですけど……」「ちょっと隣の人にもどうかと思うんですけど……」「どうにかなりませんか……?」とMCでしっかり聞いてみました(笑)。

――加羽沢さんしか聞けないのでは?(笑) 答えはどうでしたか?

あの足の幅が大事なんだそうです。「俺について来い」という意思表示だから止められませんね、とのことでした(笑)。

――みなさんも長年の謎が解けたのではないでしょうか(笑)。加羽沢さんは石田さんとたびたびご共演されていますが、一緒に演奏していて楽しい部分はどこですか。

音楽がアグレッシブな方なので、一度波に乗ったら荒波に突っ込んでいくようなエネルギッシュさが、ご一緒していてとても楽しいです。丁々発止というか、こちらが投げかけたことに応えてくれる、音楽を通してのコミュニケーションが心地いい。言葉の会話はまったくかみ合わないんですけど(笑)。

―― そうなんですか!?

音楽だと、こちらが投げかけたことをぜんぶ聴いてくれていて、それらすべてに対して応えてくれるんですよ。言葉を超えてこちらの気持ちが届いているんだな、という安心感があります。いや、言葉の会話も、ふだんは楽しくおしゃべりする人なのに、本番になるとえらい無口になるといった方がいいかな……。いろいろ聞いても、そこまで答えてくれるの? ってくらいなんでも教えてくれる人なんですよ、本当は。でも、ステージの上ではかみ合わない(笑)。

――このお話を聞いたあとだと、ますます本番が楽しみになりますね(笑)。 そしてそんなおふたりの、今回の聴きどころも教えていただけますか?

石田さんの音色は本当に美しいので、まずそれをお楽しみいただきたいです。それとやっぱり、さっきも出たような丁々発止のやり取りですね。ピアノとヴァイオリン、たったふたり、たったふたつの楽器であの大きなステージの空間を埋めるのは、やはりすごいエネルギーのぶつかり合いでもあります。そういったコミュニケーションをぜひ楽しんでください。あとはやっぱり、かみ合わないトークをお楽しみに(笑)。石田組でも、オーケストラでも見られない石田さんが見られます。わたしの手にかかって、どこまで石田さんがベールを脱ぐか? 楽しみにしていてください(笑)。

――それはますます気になってしまいます(笑)。 ちなみに本番でしか聴けないアドリブ的なかけ合いはされる方ですか?

石田さんは基本的に譜面通りなんです。偶然的や即興的なものはあまりないのですが、事前の合わせやリハーサルをほとんどしない方で、お互いがちゃんと必要事項を確認できていればあとは飛び込んで楽しもう、というタイプです。譜面通りやる方なんだけど、今日はここ、どう来るかな? ってけっこうドキドキしながら弾いています。

――ご共演されるにあたって、加羽沢さんが石田さんに「これは絶対に弾いてほしい!」と思って入れたプログラムはありますか。

わたしの作品なのですが、「プリンセス・ワルツ」という曲です。“夢見る夢子ちゃん”みたいな、すっごく楽しくてかわいいハ長調のワルツ。本当は石田さんにウェディングドレスを着て弾いてほしいくらい、とってもとってもかわいい曲です(笑)。 あのかわいい作品を、石田さんがどう調理するのかとても気になっていて、絶対入れたいと思っていました。

――とんでもないことを聞いてしまった気がします(笑)。石田さんからはどんな提案がありましたか?

ただひたすらに美しい、「タイスの瞑想曲」のような、石田さんの魅力を存分に堪能できる作品などを提案されました。石田さんの演奏は「情熱と冷静のはざま」的なタイプなので、その両極端な音楽性をものすごいクオリティで表現されるのが魅力ですよね。どちらも楽しめるようなプログラムが詰まっていますよ。

――そこへ「プリンセス・ワルツ」をぶつけてくるのが加羽沢さんですね(笑)。 これは絶対に楽しい公演になりそうです。また今回の公演は福岡が会場ですが、福岡にはどんなイメージを抱かれていますか?

やっぱり食の街というか、なにを食べてもおいしいですよね。ちょくちょく行っていますが、焼き鳥も鳥皮も水炊きもお魚も、毎回何を食べてもおいしいんです。屋台も楽しいし。今回の公演は10月末なので、そろそろ水炊きかな? 楽しみです。

――ありがとうございました。それでは最後になりますが、公演を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

石田さんはお忙しい方なので、なかなかご一緒できる機会がない分、わたしにとっても1回の公演に対する思いは強いです。貴重な公演なのでとても楽しみですし、わたしたちふたりの“丁々発止の”音楽でのやり取りをぜひ聴いてくださいね。もちろん、“かみ合わない”トークもお楽しみに(笑)。

文・取材=浅井彩

『ららら♪プレミアムコンサート Vol.1 石田泰尚 × 加羽沢美濃~ヴァイオリンとピアノで奏でるクラシックの名曲と映画音楽~』は10月30日(木)に福岡シンフォニーホールにて開催。チケットはイープラスにて販売中。

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