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氷上の夢を神戸で!西日本初のプロアイスホッケークラブ『スターズ神戸』が目指す未来 神戸市

Kiss

今年の5月に誕生したアイスホッケークラブ『STARS KOBE(スターズ神戸)』が、関西唯一のプロチームとして、アジア最高峰プロリーグ「ASIA LEAGUE ICE HOCKEY(アジアリーグアイスホッケー)」への新規参入を目指すことを発表しました。

スターズ神戸 代表・黒澤玲央さん

『スターズ神戸』は1994年に甲南大学体育会アイスホッケー部OBらによって設立された同名の社会人アイスホッケー愛好チーム(全関西実業団アイスホッケートップリーグ Aグループ所属)の流れを汲んでおり、「スターズ神戸」の名前を譲り受ける形で、プロアイスホッケークラブとして設立されました。

その背景には、神戸という街のポテンシャルと、アイスホッケー界の新たな将来への希望があるといいます。創設者である黒澤玲央さんに、チーム設立の経緯、今後の展望、そしてアイスホッケー界の現状と未来について語ってもらいました。

Q.なぜ神戸でプロアイスホッケーチームを設立しようと思ったのでしょうか?

神戸を選んだ理由はいくつかあります。1つはクラブ自体の歴史です。大先輩方が阪神・淡路大震災前から「神戸」という名前を掲げて作った社会人クラブが30年間活動を続けるその伝統。アカデミックなバックグラウンドもあるメンバーやOBが揃うその人脈、そして現在一緒に活動する仲間の熱量にプロクラブとして発展させられる可能性を感じました。

また、改善される「競技環境」も今しかないというタイミングを感じました。ポートアイランドにあるリンクは約2,000名収容でアジアリーグの開催実績もあります。関西圏で公式戦を行うには最適な環境です。加えて、来年にはHAT神戸に通年型スケートリンクが各関係団体様のご尽力のもと新設される予定です。神戸は関西で唯一、車で10分圏内にスケートリンクが2つ存在する街になります。

HAT神戸に新設される通年型スケートリンク(イメージ)写真提供:一般社団法人神戸スケート」

Q.それらの利点を踏まえても、神戸での設立はチャレンジングな決断だったと思います。課題に感じている点についても教えてほしいです。

関西はアイスホッケーが盛んな地域とは言えないので、スポンサー獲得や観客動員、地域との連携等これからやることは山積みです(笑)。大きな課題の1つは、賛同頂けるスポンサーの獲得です。関西圏には30チーム以上社会人クラブが存在しますが、関西圏さらには西日本を拠点とするプロチームはありません。

現時点でプロレベルの試合を観戦できる環境がない中、地域での認知度も低い競技をどう売り込んでいくか。自身がJ1ヴィッセル神戸(サッカー)やB1京都ハンナリーズ(バスケットボール)で培ってきたスポーツビジネスの知見をアイスホッケーに捧げ、現在営業活動に勤しんでいます。選手のリクルーティングも、海外でプレーする日本人選手や韓国人選手を中心に行っています。取り組みはワールドワイドです。クラブの理念に共感し挑戦したいという熱い想いをもった日韓の選手たちと一緒に競技の発展を目指したいと考えています。

Q.日本のアイスホッケー界の現状について、黒澤さんはどのようにお考えですか?

日本のアイスホッケー界は、競技人口の少なさ、観客動員数の低迷、資金不足など、多くの課題を抱えています。プロチームの数も少なく、そのほとんどが北海道や東北、関東に集中しています。そのため、まずは関西におけるアイスホッケーの競技人口を増やすことに貢献したいと思っています。

そのために『スターズ神戸』が多くの人に愛されるクラブとなり、アイスホッケーを神戸・関西に根ざしたスポーツとして発展させたいです。プロスポーツチームとして観客動員を増やすことはもちろん、地域の皆さまと交流を深め、子どもたちの「体験格差」が社会的な課題とされる中、初めてやってみる競技を通して「できた」「褒められた」という体験機会と競技自体の魅力に触れる機会を創出していくことも目標として掲げています。

自身もアジアリーグの『日光アイスバックス』、『スターズ神戸』でプレーしていた黒澤さん

Q.お話を聞いていて、黒澤さんのアイスホッケーに対する熱い思いが伝わってきました♪具体的にどのような活動を展開したいと思っているのでしょうか?

地域での取り組みとして、スケートやアイスホッケーの体験会を県アイスホッケー連盟や神戸スケート(新設リンク運営団体)と連携しながら開催したいと考えています。子どもを対象にしたプロ選手が教えるアイスホッケー教室も行い、若年層に競技の魅力と世界のトップを目指す方向性を示していきたいと考えています。

インターナショナルなリーグに所属する、且つワールドワイドな視点をもつ人材を育てるという意味では、事業サイド・チームサイドともに最低限の英語力として「TOEIC600点以上」を掲げています。そこは国際色豊かな神戸らしいかもしれないですね。選手にとってはセカンドキャリアにも少なからずプラスになるはずですし、努力する基準値も高いのできっとできるはずです。神戸から関西のアイスホッケーをさらに発展させ、いつか世界のトップリーグ(北米・NHL)で活躍するような選手を神戸から送り出したいですね。

『スターズ神戸』でプレーしていた当時のユニフォーム

30年の歴史を持つ『スターズ神戸』の名前を背負い、プロチームとしてアジアリーグに参戦することは大変な挑戦ですが、それこそが日本のアイスホッケー界を盛り上げる大きな原動力になると僕は信じています。地域の皆さまと力を合わせ、競技に励む子どもたちの夢を叶えていきたいと思っているので、応援よろしくお願いします!

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