アダルト情報は本当なの?性暴力やコンプレックスと向き合おう!【12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育】
その「アダルト情報」はリアル?フィクション?
ネットを見ていると、アダルトサイトやエッチなマンガ、動画などの広告が目についたことはないでしょうか。
結論からいうと、こういうものは、つくりものの世界。つまり「フィクション」や「エンターテインメント」です。見た人を楽しませるためにつくられたもので、現実の人の気持ちや行動、状況とは一致しないことも多くあります。
よくあるのが次のこと。
男性がリードすべき強引にいくほうが、女性は好き女性がいう「イヤ」は、本音ではない女性がセックスをしたいときには、サインがある避妊をしないでセックスをするほうが気持ちがいい
これらは全部フィクションと思ってよいでしょう。
このようなフィクションを現実と取り違えて、まちがった知識で恋愛や性行為をする人もいます。自分がイヤだと感じたら「イヤだ」と否定をし、その人から離れるようにしましょう。これは、女性だけではなく男性でも同じです。
【デートDVの例】
こまめすぎる連絡、行動を監視されるデートでの出費を支払うように強要される
恋愛中は、あまりまわりが見えなくなるものです。恋愛中のカップルによくあるのが、デートDV。連絡をこまめにするようにいわれたり、行動を監視されたり、デートでの出費を支払うようにいわれたり、性行為を強要されたり。これは、心や体への暴力といえます。相手を自分に従わせよう、束縛しようとしてしまうのは、相手のことを大切に思っているとはいえません。
好きな相手がいうことだから正しい、間違っていないと思いがちですが、本当にしうでしょうか。他の人から見ると、それは違うんじゃない?と思うようなことかもしれません。
少しでも「ん?おかしいな。これはイヤだな」と思うようなことがあったら、拒否したら嫌われるかもしれないという不安に負けず、「こういうことは、されるのはイヤだ」と伝えてみましょう。
それでも相手が変わろうとしなかったり、相手が怖いと感じるようになったら、信頼できる大人に相談しましょう。
ニュースなどで耳にする「性暴力」」「性被害」。同意のない性行為、性器や裸の写真を送らされる、胸を触られた、服を脱がされた、裸にさせられて写真を撮られた、ストーカー被害にあったなどという事態は性暴力や性被害にあたります。
自分が望んでいない、同意していないのにされたら、それはすべて性暴力です。性別も年齢も関係なく、被害にあうことがあります。被害を受けた人は決して悪くありません。
知り合い、知らない人などどんな相手でもあってはならないことです。
もしそんな被害にあってしまったら、ひとりで悩まずに、信頼できる大人に相談しましょう。相談できる専門の機関もあります。
アダルトサイトやAV(アダルトビデオ)を見たり、テレビや雑誌でかっこいい俳優さんを見て「筋肉がついたかっこいい男性にならないとモテないんだ」「大きいペニスじゃないと、男性としてダメなんだ」と思ってしまう人もいます。
コンプレックスを感じて落ち子み、恋愛や人生に悲観的になってしまうこともあります。「太っているし、筋肉もない。顔もかっこよくない……そんな自分は恋愛をする資格がない」と思いこんでしまい、いきすぎた筋トレ、ダイエットなどをして、体を壊してしまうこともあります。
そもそも思春期は成長途中。無理な筋トレやダイエットをすると、体の成長に影響が出てしまう可能性もあります。
コンプレックスを前向きに考える方法
ありのままの自分を受け入れる→まるっと自分を認めてみよう。また、誰かのありのままを受け止めてみよう他の人と比較をしない→人は人、自分は自分。比較したところで、みんな同じじゃないコンプレックスだと思うところを改善してみる→原因がわかっていることなら、改善をこころみる自分のいいところを、高める→そこが自分の魅力になるかも信頼している人にほめてもらう→信頼している人からの言葉の効果は大きい
多くの人が何かしらのコンプレックスを感じているものです。体型のこと、容姿のこと、学歴のこと、家庭環境のことなど悩みは人それぞれ。あなたが思うかっこいい理想の俳優さんだって、コンプレックスがあるかもしれません。
コンプレックス感じずに、「ありのままの自分を受け入れること」「他の人と比較しないこと」「自分のいいと思うところを、もっと高めてみる」などの思考にチェンジするよう心がけるだけでも変わります。
それに、多くの人にモテようと考えなくてよいのです。大切なのは、自分に合う相手を見つけること。相手のありのままを受け止められる人が、ありのままの自分を受け入れてもらえる人なのです。人に「選ばれなければならない」と思う必要はなく、「そのままのあなたがいい」といってくれる相手を自分で選ぶことが大切です。
ONE POINT
デートDVも性暴力のひとつアダルトサイトなどはフィクション。現実と混同しないことコンプレックスを前向きに考えよう
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子