ほかの子や保育者をベタベタ触る子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
ほかの子や保育者をベタベタ触る
好きなおともだちや保育者にべったりくっ付いたり、体を触ったりします。相手が嫌がっていたり、困っていたりしても、気にしていないようです。
例えば、こんな状況
仲良しのおともだちに、しょっちゅう抱きついているGちゃん。「動けないよ」とやんわり離そうとしても、かまわず体を触ってしまいます。
あなたならどうする?
1.「〇〇ちゃんはいいって言った?」と聞いてみる
2.別室に移動させ、おともだちと物理的に引き離す
【解説】おすすめは1!
「人の体に触っていいかどうかを決めるのは相手」ということは、3 ~ 4歳頃から分かってくると考えられています。まだ人との適切な関わり方が分かっていない子には、保育者が正しい距離感を教える必要があるでしょう。寂しい気持ちを増幅させてしまいそうなら、物理的に引き離すのは避けた方がいいかもしれません。
考えられる背景
「好きだから触っているのに、何がだめなの?」
自分の思いだけで行動してしまい、「おともだちが嫌がっているかも?」という見方ができていないことがあります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
「決定権」が相手にあることを意識させて
適切なコミュニケーションが取れないことの背景には、「決定権」の誤解があると考えられます。その人の体に触れていいかを決めるのは自分でなく、相手だということを伝えていく必要があります。
勝手にベタベタ触るのではなく「〇〇していい?」と聞くことを促し、「嫌だ」「今はやめて」と言われたらあきらめることを、保育者が間に入りながらサポートしましょう。
考えられる背景
「なんだか不安だよ、誰かと一緒にいたいなぁ」
寂しさや不安といった感情が根底にあり、温もりを求めるような気持ちで、おともだちや先生にくっ付いてしまうのかもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
じゃれ合いの遊びを保育に取り入れる
人と触れ合い、安心感を得られるような機会が、日常的に不足している可能性もあります。年齢に沿ったふれあいの方法(握手やタッチなど)を保育者が教えるほか、おしくらまんじゅうのように、体を使ってじゃれ合うような遊びを意識的に取り入れるのもいいでしょう。
じゃれる経験を通して相手との適切な距離感がつかめるようになり、社会性を獲得できるという側面もあるのです。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・〇〇ちゃんはどう思っているかな?
・やめて、と言われたらストップだよ
・手をつなぎたいのかな
・一緒に握手してみよう
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史