加藤和樹「40歳を迎えたのですが、26歳のポールをより若々しく頑張っていきたい」~高田夏帆、戸田恵子らも出演する『裸足で散歩』東京プレビュー公演の取材会開催
2022年に全国5箇所にて上演し、好評を博したニール・サイモン脚本の傑作コメディ『裸足で散歩』が、2024年9月27日(金)大阪・サンケイホールブリーゼにて、開幕した。本公演は、銀座 博品館劇場を含めた全国17カ所で11月23日(土祝)香川公演まで巡演する。
そしてこの度、10月10日(木)に曳舟文化センターで上演された東京プレビュー公演の前に、演出の元吉庸泰、出演の加藤和樹、高田夏帆、福本伸一、松尾貴史、戸田恵子が登壇し、取材会を行った。キャストコメントとフォトセッション写真が届いたので紹介する。
待望の再演となる本公演の演出は元吉庸泰が、前作に続き務める。
出演は、真面目で少し融通が利かないところもあるが、とにかく妻コリーを愛している新米弁護士ポール・ブラッター役を加藤和樹、自由奔放だけどしっかりしているところもあり、夫ポールのことが大好きな新妻コリー・ブラッター役を高田夏帆が、前作に続いてラブラブな新婚夫婦を演じる。
また、真面目に仕事をしているだけなのになぜか変なことに巻き込まれてしまう電話会社の男役には、福本伸一が今回新たに参加。さらに、一風変わった住人ヴィクター・ヴェラスコを怪しくも憎めないキャラクターとして演じるのは松尾貴史、自由奔放な娘とは正反対で保守的な性格で若い夫婦を温かく見守るコリーの母バンクス夫人役には戸田恵子という両巨頭が、前作から続いて集結した。
キュートで心温まるハートフルコメディを劇場で楽しんでみてはいかがだろうか。
【あらすじ】
寒い2月のニューヨーク。古いアパートの最上階に新婚のポール・ブラッター(加藤和樹)とコリー・ブラッター(高田夏帆)が引っ越してきた。工事に来た電話会社の男(福本伸一)も息切れして話せないほどの階段。エレベーターはなく、天窓には穴があき、暖房も壊れ、家具も届いていない。夜には雪が降るらしい。
アパートには不思議な住人がたくさん住んでいる。その中のひとり、屋根裏部屋に住むヴィクター・ヴェラスコ(松尾貴史)はブラッター家の窓を通って自分の部屋に行く。コリーはここでの生活をすごく気に入り楽しんでいるが、真面目な弁護士のポールはこのアパートに馴染めずにいた。
ある日コリーは、母であるバンクス夫人(戸田恵子)との食事にヴェラスコを誘い、食事を楽しんだ。だが、みんなが帰った後、2人きりになったポールとコリーはケンカをし始めてしまう。
ポールとコリーの新婚生活はどうなってしまうのか?
取材会コメント
■加藤和樹 【ポール・ブラッター 役】
これまで大阪・茨城・神奈川・静岡で上演してきましたが、各地のお客様が温かいのはもちろんですが、笑うポイントだったり空気感が各会場違います。これからまだ色々な所を回るので、その土地の反応を楽しみたいです。
注目していただきたいポイントはたくさんあるのですが、2幕の途中にコリーとヴェラスコさんのシーンがあるのですが、すごく自由度が高いので、毎回どうなるか楽しみにしているシーンです。そこは是非注目していただきたいと思います。
10月7日に40歳を迎えたのですが、26歳のポールをより若々しく頑張っていきたいと思っています。役者としては年を重ねるにつれて演れるようになる役もあると思いますので、いつかヴェラスコさんを演じられるような渋い男になれるように頑張りたいと思っています。
初演の時は、コロナの影響もあって声を大にして笑えなかったと思いますが、2年ぶりの再演となる今回は、各劇場で笑い声をいただいて、演じている自分たちも心が温まります。観に来てくださっている皆様の心を豊かになるように我々全力で幸せな物語を届けられたらと思いますので楽しみにしていてください。
■高田夏帆 【コリー・ブラッター 役】
(初舞台だった前回公演と比べて)ステージの上にいる心持ちも少し変わりました。聞く耳を持てるようになって(笑)、前回よりももっと大きな笑い声に聞こえたので、すごく嬉しいです。ここで笑ってもらえるんだ! と思ったら、もっと膨らませてみようと思い、毎日試行錯誤しています。一人ひとりチャーミングで可愛いところがそれぞれにあるので、色々な人の気持ちになって観劇して欲しいなと思います。一人ひとりを追って見て欲しいですし、1場面1場面切り取って見て欲しいです。1回では足りないくらい全部が注目ポイントです!
■福本伸一 【電話会社の男 役】
コメディなのでお客様の笑いが入って完成するものだと思っています。大阪公演の初日は怖かったですが、想像以上に笑っていただけましたし、それ以降の各地の公演でも笑っていただけています。カーテンコールでお客様の顔を見るととても良い笑顔をされているので、それを見るのが幸せで自分にとっても幸せな公演になっています。
1幕と3幕の頭で登場してコリーとポールに巻き込まれて体を張っていたりするんですが、ニール・サイモンの戯曲には”ここで体を張れ”とは書いていないのに、なぜか稽古から張るようになってしまったのでその部分は見所です(笑)。
あと、2幕の頭で別人として2秒ほど出るので、その2秒を見逃さないで欲しいです。
■松尾貴史 【ヴィクター・ヴェラスコ 役】
2年前より僕も聞く耳を持ちました(笑)。
大阪は温かい街ですが笑いに厳しい街でもあるので、そこでの反応がいちばん緊張感がありましたが、幕が開けたらこんなにも温かいものか…という反応をいただけて、それぞれの街でウケる場所がこんなに変わるのかと思っています。
やるたびに1つ1つが栄養になっていますので大千穐楽に向けて盛り上がっていくことを期待しています。
演出の元吉さんが福田(響志)さんの翻訳に”ニューヨークの風”を感じるということでしたが、僕もこの芝居で”ニューヨークの隙間風”を感じて一生懸命やっていきたいと思います(笑)。そこにご注目いただきたいと思います。
■戸田恵子 【バンクス夫人 役】
2年経ちまして私も聞く耳を持てるようにようやくなりました(笑)。
お客様の反応を気にする余裕は私にはなくて、ひたすら自分の台詞をニール・サイモンが書いた本の通りに一生懸命やっていこうと思っている次第です。この先も初心を忘れずやっていこうと思っています。
物語の中で際立って特異な事が起きる訳ではないのですが、若者の夫婦が少ーし成長するのと、このおじさん(松尾貴史さん演じるヴェラスコ)とおばさんも若夫婦によって少ーし成長させられ、そして電話工事の人もいざこざに巻き込まれて少ーし成長している……。皆が少し成長する物語に面白くなっているというのが見所だと思います。
必ず登場する誰かに当てはまるところが皆さんの中にもあるのではないかと思います。
見所は満載ですのでたくさん楽しんでくださった方が最後キュンとなると思います。