西湖でヒメマス釣りが解禁【山梨】ボートでのサビキ釣りで28.5cm頭に26尾を手中
山梨県富にある富士五湖の1つの西湖で、ヒメマス・ワカサギが解禁を迎えた。
西湖でヒメマスを狙う
西湖は、春シーズンと秋シーズンの年2回の漁期がある。秋田県・田沢湖の固有種であるクニマスが見つかったことでも有名な湖で、クニマスはヒメマスの地域型の亜種と考えられている。太平洋周辺のアメリカ、カナダ、カムチャッカ半島、国内では阿寒湖、チミケップ湖が自然分布する原産地。本州で生息するヒメマスは、明治~大正期に北海道.支笏湖から移入されたものである。富士五湖では、西湖のほか本栖湖に移入されている。西湖では、移入後大切に管理され現在に至っている。
その西湖へ、3月27日(木)に訪れた。三寒四温の季節にあって釣行当日は谷間の日。朝の気温2.5度と寒い一日だったが、午前中は日が差す時間帯もあり過ごしやすかった。
三本竿でヒメマス顔見せ
東岸のボート店からローボートを借りて出舟。魚探を見ながら右回りに湖央へ向かって漕いでいく。水面下12mの付近に反応があったので、近くにあったブイにボートを係留して釣り開始。
タックルはキス竿とスピニングリールの組み合わせ。仕掛けは丸セイゴ5号の5本サビキ仕掛けにオモリ20号。エサはイクラと紅サシを用意した。
竿は3本出す。1本を反応のあったタナに合わせて仕掛けを下ろし、ほかの2本は上下に1~1.5mズラしてセット。ヒメマスは少しでもタナが合っていないと食ってこないことが多いので、釣果アップにはタナ合わせが重要な要素となる。そのため、まずはタナをずらしてセットし、アタリが出たらその竿のタナに別の竿を合わせるように釣っていく。
3本の仕掛けを下ろし終えると、しばらくして一番下の竿がツンツンと上下に揺れたあと、テンションがなくなった。食い上げるアタリだ。軽くアワセを入れ、ほかの2本の竿をそのタナに合わせたあと、アタリのあった竿の仕掛けをゆっくりと回収する。
ヒメマスは口が弱いので強いアワセや強引なやりとりはバラシにつながる。しかし、ブラックバスや大型のトラウトにとってはベイトフィッシュだ。ゆっくり過ぎてもこれらの捕食者にやられてしまう。早くもなく遅くもない回収速度で仕掛けを上げてくると、ヒメマスが2尾付いていた。20cmを少し超えたサイズだが、トラブルなくキャッチできるのは嬉しい。
今シーズンは型がいい
そうこうしていると、同じタナに合わせた2本の竿に同時にアタリがきた。次は、25cm級のダブルと20cm級のシングル。ヒメマスは50~60号のオモリを食い上げるほどのパワーを持っている。これが醍醐味でもある。
9尾までは順調に釣れたが、その後はパッタリとアタリが止まってしまう。再び魚探を見ながらヒメマスの群れを探す。
西湖は水深があるので、ヒメマスの実績の高い場所にはブイが設置されている。エサ釣りの場合、このブイにボートを係留して釣ることになる。群れを見つけても、近くにブイがない場所もあるので、そのような場合は、私は係留せずに仕掛けを下ろしたり、ウィンドトローリングで釣ることもある。
当日は湖の東半分のブイを6カ所回って、帰港時刻となったので納竿。釣果は16~28.5cmを26尾。制限尾数には達しなかったが、久しぶりのヒメマス釣りを楽しめた。
ヒメマス釣りは忙しい時間帯と暇な時間帯が交互に訪れる。この忙しい時間帯をいかに手返しよく釣るかがヒメマス釣りの釣果を左右する。ヒメマスはベニザケの湖沼型とされ、身は赤くサケの仲間のなかでもっとも美味いとされる魚だ。今シーズンは例年に比べてややサイズがいいようだ。魚探は必須だが、初心者にも比較的簡単に釣れる魚。春の陽気を楽しみながら、ヒメマス釣りに出かけてはいかがだろうか。
<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2023年4月18日号に掲載された記事を再編集したものになります。