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井上尚弥の今後を勝手に予想、2025年に中谷潤人を倒してメイウェザー超え!?

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ドヘニーに左ジャブを放つ井上尚弥,ⒸLemino/SECOND CAREER

井岡一翔を抜いて単独トップの世界戦23勝目

プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)がテレンス・ジョン・ドヘニー(37=アイルランド)に7回16秒TKO勝ちで防衛に成功した。

ドヘニーのギブアップでダウンシーンこそなかったものの、当日の体重が66.1キロと“ほぼウェルター級”の相手に危なげない勝利。これで世界戦23勝目となり、並んでいた井岡一翔(志成)を上回って日本選手単独トップとなった。

世界戦23連勝、世界戦20KO勝ちなどすでに独走状態の記録も多く、今回の勝利でほぼ全ての日本記録を更新したことになる。

世界歴代5位の世界戦23連勝

さらに世界戦23連勝は世界で見ても歴代単独5位。並んでいたスベン・オットケ(ドイツ)とジョー・カルザゲ(イギリス)を抜き、上には26連勝のジョー・ルイス(アメリカ)、フロイド・メイウェザー・ジュニア(アメリカ)、25連勝のフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)、ダリウス・ミハエルゾウスキー(ポーランド)の歴史的名ボクサーしかいない。

井上尚弥はすでに歴史に名を刻んでいるわけだが、25度防衛の世界記録を持つルイスや、50戦無敗で引退したメイウェザーを上回る日もそう遠くない。あと4つ白星を並べれば世界新記録だ。

2024年12月:サム・グッドマン

では、今後はどのような展開を辿るのか。井上は来年まではスーパーバンタム級に留まる意向を示している。勝手ながらモンスターの今後を予想してみたい。

まず12月と噂される次期防衛戦はIBF・WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)が有力候補。ルイス・ネリを倒した5月6日のリング上で次の相手候補として紹介されたが、7月のタイ人世界ランカーとの試合を優先したため急遽、ドヘニーに変更された経緯がある。

7月の試合では判定勝ちし、左拳を痛めたものの順調に回復しているようで、自身のSNSで井上との対戦をアピールしている。2023年3月にはドヘニーと対戦して判定勝ちしており、19勝(8KO)と無敗を誇る右ボクサーだ。

ただ、いかんせんパワーがなく、ネリやドヘニーに比べると迫力不足は否めない。井上もグッドマンならドヘニーほど慎重にならず前半から仕掛けていきやすいだろう。中盤以降のKO勝ちが期待できそうだ。

2025年春:ムロジョン・アフマダリエフ

もう1人の有力候補がWBA1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)。2023年4月にマーロン・タパレスに判定負けした元WBA・IBF王者だ。

ボクシングの統括団体は王者が最強挑戦者から逃げることを防ぐため、ランキング1位の選手と9カ月から12カ月の間に戦う指名試合を義務付けている。WBAはすでにアフマダリエフとの指名試合を行うよう井上陣営に通達。井上が応じなければ王座を剥奪される可能性もある。

井上は4団体統一王者のため各団体の指名試合を消化するには時間がかかる。期限を過ぎても交渉次第で融通は利くだろうが、いずれにしてもアフマダリエフを長く待たせることはできない。

そして、そのアフマダリエフは歯応えのある相手だ。リオデジャネイロオリンピックのバンタム級で銅メダルを獲得し、プロ転向8戦目でダニエル・ローマン(アメリカ)に判定勝ちして王座奪取。初防衛戦で日本の岩佐亮佑を5回TKOで下すなど頑丈なサウスポーだ。

身長166センチと井上とほぼ変わらないもののガッチリした体格で、12勝(9KO)1敗の戦績が示す通りパワーもある。井上と対戦すれば好ファイトとなるだろうが、最後は地力に勝るモンスターのKO勝ちと見る。

2025年夏~秋:アラン・ピカソ

そうこうしているうちに次はWBCの指名期限が迫ってくる。現在WBC1位はアラン・ピカソ(メキシコ)。8月にアザト・ホバニシャン(アルメニア)に判定勝ちしてWBCスーパーバンタム級シルバー王座を獲得したホープだ。

変則タイプも少なくないメキシカンにしては珍しく正統派の右ボクサーファイターで、タイプ的には井上と似ている。29勝(16KO)1分けと無敗の進撃を続けており、勢いにも乗っている。自身のSNSでは白衣を着た写真をアップしており、神経解剖学を学ぶインテリという側面も併せ持つ。

ただ、試合の映像を見る限り、スピードはあまりない。ボクサーとしてのセンスはあるものの、井上に立ちはだかるライバルとしては線の細さは否めず、大番狂わせは難しいだろう。井上がKO勝ちで世界戦26連勝を飾り、ジョー・ルイス、メイウェザーに並ぶ一戦となる。

2025年末:中谷潤人

誰もが待ち望む現WBCバンタム級王者・中谷潤人(M.T)とのスーパーファイトは2025年末になるだろうか。もちろん、中谷が10月14日の次期防衛戦やその後、WBA王者・井上拓真(大橋)との統一戦などをクリアし、バンタム級最強を証明するのが前提だ。

中谷は身長172センチと井上より7センチ高いサウスポー。フライ級から3階級制覇を達成し、28戦全勝(21KO)を誇る。「ネクストモンスター」の異名通り、井上尚弥に続く最大のスター候補だ。

接近戦などまだ未知数な部分もあるが、スピード、パワーとも申し分なく、今後の成長次第では十分、井上のライバルになり得る逸材。世界で最も権威があるとされるアメリカのボクシング誌「ザ・リング」でパウンド・フォー・パウンド9位にランクされており、現在2位の井上と対戦が実現すれば世界中が注目する一戦となることは間違いない。

プロモーターのボブ・アラム氏は来年以降、井上をラスベガスのリングに上げる構想も披露している。T-モバイル・アリーナやMGMグランドなど、過去にパッキャオやメイウェザーらが桁違いのファイトマネーを得たリングで、全勝の日本人同士がメインを張るようなことがあれば東京ドーム以上の超ビッグマッチとなる。

そして試合内容も、どちらに転ぶか分からないハイレベルな名勝負となるだろう。敢えて現段階の力量で比較するなら、やはり井上に分がある。これで世界戦27連勝。聖地ラスベガスで世界新記録達成だ。

スーパーバンタム級に敵がいなくなった井上は、満を持して2026年にフェザー級転向。伝説はまだまだ続くだろう。そんな夢物語もモンスターなら実現してくれるはずだ。

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記事:SPAIA編集部

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