川に飛び込んだ少女、救おうした警察官が溺死も「助けてなんて頼んでいない」(中国)
中国で、川に飛び込んだ少女を救おうとした警察官が溺死した。少女は無事に救出されたが、「助けてなんて頼んでいない」と不満を漏らしており、ネット上では少女に対して非難の声があがった。中国のニュースメディア『手机网易网』などが伝えている。
少女を救うため、自ら川に飛び込んだ警察官。当時の様子を捉えた動画はこちら
中国の広西チワン族自治区河池市にある大化ヤオ族自治県の警察官、リー・シェイさん(李燮、39)が現地時間23日の午後11時50分頃、川に飛び込んだ少女(16)を救出しようとして命を落とした。リーさんは当時、服を脱ぐ間もなく、すぐさま川に飛び込んだ。
しかし、少女が激しく抵抗した上に川の流れも速かったため、リーさんは救出用のロープを掴み損ね、そのまま川に沈んでしまった。当時の様子は現場にいた見物人によって撮影されており、動画には他の警察官がロープを投げる様子が映っていた。
リーさんはロープを掴み、少女を抱きかかえたまま引き上げてもらおうとしたが、少女は混乱していたためか、リーさんの頭を押さえつけ、彼の腕を押しのけて自分だけロープを掴もうとした。そのような状況にもかかわらず、リーさんは少女をロープのある方向へと背中を押した。
ところが、あと一歩のところで少女はロープを逃してしまい、2人は川に流されてロープから遠ざかってしまった。ロープは引き上げられ、再度リーさんに向けて投げられたものの、少女が先にロープを掴んで引き寄せてしまったため、リーさんは掴み損ねてしまった。
そして、リーさんは体力が尽きたのか、水の底へ沈んでしまった。
中国のニュースメディア『手机网易网』では、少女が「学校に行きたくない」という理由で川に飛び込み、命を絶とうとしたと報じている。また救出された直後、少女は「誰も助けて欲しいなんて頼んでいない」と反抗的な態度を見せていたという。
しかし、のちに現地メディアのインタビューに応じた少女は「誤って川に落ちた」と主張した。この事故が世間に広まると、SNSでは「少女が警察官を押しのけた」「この結果が受け入れられない」など、少女に対する非難の声があがった。
一方、39歳という若さで妻と幼い双子の子どもを残して、少女を救うために亡くなったリーさんは、地元の人々から「英雄」と称えられ、事故現場には多くの献花が捧げられている。
画像は『手机网易网 「救人牺牲,落水被救女孩称民警让她好好活着,真相究竟如何?」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)