元Jリーガーが副住職 島田市の寺で風鈴まつり 静岡県4クラブの風鈴やサッカーの御朱印
■6月22日開催 島田市の林入寺で風鈴まつり
柔軟な発想と異色の経験で寺を身近な存在へと変えていく。静岡県島田市にある林入寺で6月22日、風鈴まつりが開催される。まつりを企画した副住職の五藤晴貴さんは元Jリーガーで、県内のJリーグ4クラブをイメージした風鈴短冊やサッカーをデザインした限定の御朱印を用意している。
【写真で見る】元Jリーガーが副住職 静岡県島田市にある林入寺
サッカー選手から僧侶に転身した五藤さんだからこそ貢献できることがある。五藤さんは中学、高校時代にジュビロ磐田の下部組織に所属し、高校卒業後は当時J2だったカターレ富山に入団した。
大きな怪我が重なったこともあり、選手生活は5年で幕を下ろした。選手の頃から交際し、後に妻となる夏美さんの実家が林入寺だったことから、全く縁のない世界へと飛び込んだ。
2年余りの厳しい修行を乗り越え、五藤さんは昨年4月に僧侶となった。人の死と向き合う特別な仕事に責任と誇りを感じる一方、危機感として芽生えているのが「寺離れ」。林入寺に限らず、寺全体が住民にとって遠い存在になっていると感じた。
■お寺を身近に サッカー王国復活の願いも
五藤さんは今までの経験や人脈を生かし、現役のプロサッカー選手を招いたイベントを開催したり、サッカー選手のサインが入った御朱印帳をつくったりして、寺を広く知ってもらう取り組みを続けている。
「お寺がイベントをすることを批判されることもありますが、親しみを持っていただくきっかけになると考えています。お寺は敷居が高いと思われがちで、寺離れは課題になっています」
風鈴まつりも、寺を身近に感じてもらう目的の1つ。3年前、参道に供養風鈴を飾ると檀家に好評だったため大々的なイベントにした。オリジナリティのある風鈴や御朱印、さらにマルシェや福引き抽選会なども準備し、子どもから大人まで楽しめる内容にした。五藤さんがまつりに込めた思いを語る。
「まずはお祭りを通じて、林入寺を知ってもらいたいです。そして、古き良き伝統を感じて、お寺の良さを体感していただきたいです。それに加えて、静岡県民みんなでサッカー王国を再度つくっていけたらなと思います。こんなにもJリーグチームがある県は静岡しかありませんから」
■県内4クラブをイメージした風鈴 マルシェや大抽選会も
風鈴まつりでは、ジュビロ磐田、清水エスパルス、藤枝MYFC、アスルクラロ沼津と県内にある4つのクラブのチームカラーを使った風鈴が参道を彩る。それぞれの願いを書けるように短冊が付いている。昨年好評だった木札風鈴も販売する。
風鈴とサッカーをモチーフにした、まつり限定の御朱印も用意する。午前11時から正午までの間に受付すると、その場で御朱印帳に書いてもらえるという。それ以外の時間は御朱印帳を預かって、後日渡す形となる。
当日は飲食や雑貨、採れたて野菜など様々な店も出店する。午前9時から午後2時までは、炭焼きレストランさわやかの食事券や家電など豪華賞品が当たる福引き大抽選会も予定されている。
林入寺(島田市祇園町8512-1)は最寄りの島田駅から徒歩15分。風鈴まつりは6月22日午前9時から午後2時まで開催される。駐車場は台数が限られているため、公共交通機関の利用を呼びかけている。
(間 淳/Jun Aida)