本格的なアジアン料理を楽しめるフードトラック「JALAN JALAN」。
以前「Things」で紹介した「アジアン食堂 マナカフェ」。シェフのロッキーさんが、フードトラックを引っさげてあちこちに出没しているということを知り、早速、ふるまちモールで出店中の「JALAN JALAN(ジャランジャラン)」を訪ねました。
JALAN JALAN
センビリング ロキヤノ Rockyano Sembiring
1976年インドネシア生まれ。インターナショナルホテル「Club Med」で料理長経験を持ち、レストランなどを含め料理経験20年以上のベテランシェフ。2019年に阿賀野市で「アジアン食堂 マナカフェ」、2021年に新潟市中央区で「アジアン料理 NOAH’S KITCHEN(ノアズキッチン)」をオープンし、2024年にはフードトラック「JALAN JALAN」をスタートする。ニックネームは「ロッキー」。
どうしてフードトラックを始めることになったのか?
——「アジアン食堂 マナカフェ」の取材ではお世話になりました。あれからもう5年も経つんですね。
ロッキーさん:こちらこそ、ありがとうございました。「アジアン食堂 マナカフェ」はあの1年くらい後にクローズして、それから新潟駅南口で「アジアン料理 NOAH’S KITCHEN」を新しくオープンしたんですよ。
——新しいお店の反響はいかがでしたか?
ロッキーさん:外食を自粛する人が多い時期だったので、お弁当やオードブルはたくさん売れましたね。でもコロナ禍が落ち着いてきたので、店内で召し上がるお客様が増えてきたんです。ところが今度は人手不足のために、私ひとりでワンオペすることになってしまい、お客様を長時間お待たせしてしまうんです。それで時間のかかる料理はメニューから外したり、テイクアウトをご希望の場合は予約していただいたり、いろいろと対策しました。
——それは大変でしたね……。
ロッキーさん:そこで思いついたのが、フードトラックでの営業だったんです。フードトラックだったら、ひとりでも営業できるんじゃないかと思いました。
——なるほど。それで「JALAN JALAN」をはじめたんですね。
ロッキーさん:ただ、フードトラックで営業をはじめるための手続きは大変でした(笑)。私は漢字もあまり書けませんから……。役所の人や周囲の人にサポートしていただいて、なんとかスタートすることができたんですよ。
カフェのオープンを支えた「なんとかなる」の精神。
——「JALAN JALAN」っていう店名には、どんな意味があるんですか?
ロッキーさん:インドネシアの言葉で「散歩」っていう意味があるんです。フードトラックで散歩するみたいに、あちこちへ出かけたいから「JALAN JALAN」と名付けました。
——今までどんなところで営業してきたんですか?
ロッキーさん:道の駅や新潟大学旭町キャンパス、それからこのふるまちモール7ですね。新潟まつりや新潟アイドルフェスティバルといったイベントにも出店してきました。
——いろいろなイベントに出店しているんですね。
ロッキーさん:いつも同じメニューを提供するのではなく、イベントの内容によって用意するメニューも変えているんです。例えばビールのイベントだったら、焼鳥や春巻といったビールのおつまみにぴったりなメニューにするとか。
——なるほどー。ところで、フードトラックとお店の違いは感じますか?
ロッキーさん:ご飯を炊くために朝早く起きなければならないことや、毎回荷物の積み下ろしをする手間は感じますね。でも、いろいろな人と出会える喜びが大きいので、ちっとも苦にはなりません(笑)
——楽しいことの方が多いんですね。
ロッキーさん:そうです。今までの私は、どちらかといえば調理場で料理をつくっていたので、お客様と接する機会が少なかったんですよ。自分でお店をはじめてからもコロナ禍の最中だったから、じっと店のなかでお客様の来店を待っているしかなかったんです。
——それが、フードトラックをはじめたことで変わったんですね?
ロッキーさん:自分から人の集まるところへ出かけて行って、お客様とのコミュニケーションを取ることができるようになりました。いろんな人との出会いはとても刺激的です。
——フードトラックでの営業をはじめてよかったですね。最後に、これからの夢があったら教えてください。
ロッキーさん:ゆくゆくはキッチンカーの台数を増やせたらいいなと思っているんです。東日本大震災のときには、多くの被災者が食料不足に苦しみました。またそんなことがあっても、何台かのキッチンカーがあれば、ボランティアに向かうことができるんじゃないかって思います。
——とても立派な夢じゃないですか。
ロッキーさん:ありがとうございます。いつかたくさんのキッチンカーを使って、いろんな場所でより多くの人達に、私のつくるアジアン料理を味わっていただきたいですね。
JALAN JALAN