「奥が深い!」初体験の紀州釣り(ウキダンゴ)で42cmクロダイ手中【三重】
いぶし銀のルックス、力強いファイト、釣りにおいてのクロダイの魅力は枚挙にいとまがありません。私は普段の堤防釣りでは前打ち、落とし込みを楽しんでいますが、新たな魅力を体験しようと以前から興味があった紀州釣り(ウキダンゴ釣り)にチャレンジしてみました。独特のウキの動きやダンゴワーク、戸惑いながらも工夫を重ねた末に良型の本命をゲットすることができました。
紀州釣りとは
波止の紀州釣りは、海底まで沈めたダンゴが割れて出てきたさしエサに食わせる、仕組みはカカリ釣りと同じです。違いはウキを使うこと。ダンゴをうまくポイントに投げ込み、底トントンをキープしつつウキの動きを読む。この匙加減がキモとなります。
釣行前、地元の釣具店の店員さんからアドバイスをもらい、紀州釣り専用の寝ウキなるものを入手。ダンゴを投げても干渉しない軽さ、寝て浮いてるから風にあおられず、魚がかかれば起き上がる。想像しただけでワクワクしそうなこのウキをひっさげ、目的の釣り場へと向かいました。
霞釣り公園へ釣行
7月11日、向かったのは三重県四日市市の霞釣り公園。駐車場やトイレもあり、車でのアクセスが良好な釣り場です。
埠頭の先端にあるため潮通しもよく水深もあり、周りには消波ブロックが連なりクロダイの格好のツキ場になりそうなロケーション。ここに釣り座をかまえ、じっくり狙ってみることとしました。
当日のタックル
この日使用したタックルは1.5号-5.3mの磯竿に2500番のスピニングリール、道糸は2号。1.5号のハリスをを2mとり、針はオーナーの沖アミチヌ3号。つけエサはオキアミを使います。
ダンゴはマルキューの紀州マッハにチヌパワーをプラス。これに集魚効果を狙ってアミエビを加え、海水を少々加えてパサパサながらもしっかりと握り込める仕上がりを目指します。
ダンゴを投入
用意ができたらいよいよダンゴ投入。なるべく間合いをとり、狙ったポイントへ正確にアプローチ…したいんですが、目標物がないので狙いを定めにくく、左にそれ、右にそれ、手が滑って真下にドボン!さらには糸が絡んで空中分解…なかなか難しい。逆に狙いを定めず腕の感覚で放り投げるといい感じにポイントに入ったりします。
底トントンになるようにウキ下を調節しながらひたすらダンゴを握り、投げる。ダンゴが割れたら寝ウキは寝っぱなし、試行錯誤の繰り返し。すぐに答えが出ないのはかかり釣りと同じですが、会心のアタリを信じてアプローチを続けます。
まずはゲストのフグから登場
初めはダンゴが底に着いてもなかなか割れず、時間がかかりましたが、握り加減を色々変えてみるうち、着底からの持ち時間もいくらか調整できるようになってきました。
そして2時間くらい経って、やっとウキに反応が。寝ウキが起立しかけてヒョコヒョコ動いています。聞き合わせをしてみると掛かってきたのはフグ。お呼びでないゲストではありますが魚がくれば嬉しいもの、ダンゴが効いてきている証と前向きに捉えることにします。
しばらくして2匹目フグの登場。これで魚が寄っているのは確か、次は3度目の正直といきたいところです。
本命クロダイ登場
この日は午後の干潮時からスタートしましたが、4時頃から上げ潮に転じたのでウキ下を伸ばして調節、アタリを待ちます。
すると寝ウキがどうも落ち着かない様子。寝ないでずっとピクピクと不自然に動いています。もしや、と思い竿を立ててみるとズッシリ重みからのグイグイ引き込み、そしてグィーンと強烈な絞り込み!これは間違いなくクロダイだ。磯竿は半月に曲がり、ドラグ鳴りっぱなし、寄せて走られの繰り返し。やっと近くに寄ってきた糸が岸壁に擦れないようゆっくり竿を立てればようやく姿を見せたいぶし銀。
タモを伸ばし、相手がこちらを向くタイミングを見計らいランディング成功、紀州釣りで獲った価値ある1枚!測ったら42cm、なかなかの良型に思わず笑みがこぼれます。居食いをしてたのか、針をしっかり咥え込んでいました。
再び強烈ファイト
その後も再び強烈な突っ込みが。これも竿をがっつり曲げるファイトでしたが、かかってきたのはボラ。これはダンゴワークが正しいと捉えるべきか?ぬかだけにぬか喜びというべきか?どんなシーンでもボラがつきものなんですね。
奥深い紀州釣り
ダンゴが無くなった時点で納竿、あるのは充実感と達成感。釣法が変わってもクロダイのあの釣趣は変わらず。ウキアタリの見分け方、ダンゴの使い方などもっとアップデートしたくなる、そんな奥が深そうなクロダイの紀州釣り、楽しい釣りです。
<かにおけ/TSURINEWSライター>