<怖い話>深夜、旅館で目を覚ますと…夫の様子が【まんが】#本当にあった不思議な体験
これはまだ子どもが生まれる前、夫と2人で暮らしていたときのことです。互いに仕事が忙しかったため、たまにはゆっくりと温泉にでも行こうと計画をたて、山奥の古びた旅館にやってきました。
夫は早々に眠ってしまいました。夫が布団に入るのを見届け、私も眠りにつきました。しかし……
夜中の2時頃「うぅ……」といううめき声が聞こえたのです。目を覚まして夫の方を見てみると、私の方に背を向け、横になって丸まっていました。
怖い夢でも見ているのかな……? そう思いながら夫の背中をさすっていたのですが、いつの間にか私はウトウトしてしまい……。
夫の背中をさすりながら、いつの間にか眠ってしまいました。気が付くと、朝になっていました。
元々夫は怖い夢を見たりすると、すごくうなされることがありました。 その度に、私が背中をさすってあげると「夢か……」と目を覚ましていました。しかし今回は、いつもとはなんだか様子が違ったのです。 私に背を向けたまま、悪夢にうなされているというよりは、目が覚めている状態で苦しんでいるような……? そんな感じでした。 夫の疲れ切ったような起き抜けの顔に、私は不安しかありません。
【夫の気持ち】深夜、自分だけ聞こえる音
これはまだ、妻と2人で暮らしていたときのこと。互いに仕事が忙しかったため、たまにはゆっくりと温泉にでも行こうと計画をたて、山奥の古びた旅館にやってきた。しかし疲れを癒すはずの温泉なのに、お湯に浸かった途端に疲れが出てきてしまって、俺は早々に眠ってしまったんだ。ゆっくり眠って明日に備えよう。そう思っていたのに……。朝、憔悴しきった姿を見て驚く妻に、俺は夜中になにがあったか語り始めたのだった。
でも、あたりを見回しても誰もいないし、隣では妻が何も気が付かずに眠っている。
別に俺たちはテレビもつけていなければ、大きな声で話したりもしていない。静かにしているはずなのに、どうして隣の部屋の人にここまで威嚇されないといけないんだろう。再び、もっと大きな音で壁が叩かれた。これは外から叩いている音だ。
そう思ったときに、気が付いたんだ。俺たちの部屋は角部屋で音が聞こえる隣の部屋なんてないんだ……。それに5階だしベランダもない……。
つまり、壁の外には何もないということだ。誰かがよじ登って壁を叩くことも不可能だ。それなのに布団のすぐ近くの壁から何かを訴えてくるような音に、俺は慌てて布団に潜り込んで、身体を小さくして無理矢理眠ろうとしたんだ。
俺の異変に気がついたのか、妻が声をかけてくれた。けれど、こんなに大きな音なのに妻にはまったく聞こえていないようで、何も言ってこない。
朝になると、あの恐怖に満ちていた音はなくなっており、眠ることができなかった疲れだけが残っていた。俺たちは、急いで旅館を後にしたのだった。 昨晩の出来事を妻に話すと「何も聞こえなかった」と言っていた。でも、それで良かったんだ。あの恐怖は、俺だけが経験すればいい。未だにあの、脅迫するかのような音の正体が何だったかは分かっていない。けれど、あと一歩間違えれば恐怖の音に飲み込まれていたかもしれない。そう思ってしまうくらい、追い詰めてくる音だったんだ。 温泉旅行から帰ってきてからは何事もなく平和な生活を送れている。あのときの恐怖が嘘のような穏やかな日々だ。世にも不思議な恐怖を経験した、思い出したくない旅の思い出だ。